カタバミ(片喰|傍食|酢漿草)
カタバミ科、全国に分布、多年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける。葉はハート型で3枚、実は先がとがった円柱状で上を向いて付き触れると種子を弾き出す。名前の由来は「夜になると葉を閉じ半分なくなるように見えることから→片方喰(は)む→片喰み→片喰となった」など。
ニワゼキショウ(庭石菖)
アヤメ科、北アメリカ原産、多年草。5~6月ごろ、白紫~紫色の花をつける(濃い色のすじがあり中心部は黄色)。花は1日でしぼむ。名前の由来は「葉がサトイモ科のセキショウ(石菖)に似ていて、庭などに生えることから」。
ノハナショウブ(野花菖蒲)
アヤメ科、北海道~九州に分布、湿地や草地に生育、多年草。 6~7月ごろ、赤紫色の花をつける。外花被片の基部に黄色の筋があり、葉は中脈が目立つ。園芸種であるハナショウブの原種。ただし菖蒲湯に入れるショウブはサトイモ科で別種。
ブタナ(豚菜)
キク科、ヨーロッパ原産、要注意外来生物、多年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける。タンポポが終わった頃から咲き始め、花茎を分岐させ複数の花をつける(タンポポは1つの花茎に1つの花をつける)。名前の由来は「フランスでの俗名(ブタのサラダ)の訳から」。タンポポのようなのでタンポポモドキとも呼ばれている。
チガヤ(茅)
イネ科、アジア熱帯地方原産、野原や荒地、あぜ道などに生育、多年草。5~6月ごろ、銀白色の花をつける(動物の尻尾のような花穂)。名前の由来は「群生する様子が千の茅(かや)のようだから」「赤い花穂から血茅(ちがや)」など。ツバナ(摘花菜、茅花)とも呼ばれている。
ヒメジョオン(姫女苑)
キク科、北アメリカ原産、要注意外来生物、1~2年草。6~10月ごろ、白~淡紫色の花を咲かせる(白~淡紫色の舌状花と黄色の筒状花)。名前の由来は「小さいを表す「姫」と中国産の野草を表す「女苑」から」など。ヤナギバヒメギク(柳葉姫菊)、テツドウグサ(鉄道草)とも呼ばれている。
ガクアジサイ(顎紫陽花|額紫陽花)
アジサイ科、房総半島、三浦半島、伊豆半島などに自生、落葉低木。6~7月ごろ、淡青色~淡紅色の花をつける。花は中心部に多数ある小さな花(両性花)で、花のまわりを飾っているのは装飾花。名前の由来は「装飾花が額縁のようになっていることから」。アジサイと呼ばれている手まり型に咲くアジサイはガクアジサイを品種改良したもの。
アジサイ(紫陽花)
アジサイ科、園芸種、落葉低木。日本に自生するガクアジサイが手まり型に咲くように品種改良されたもの。西洋で品種改良され里帰りしたものはセイヨウアジサイと呼ぶ。花の色は土の酸性度によって、青色、藍色、紫色、淡紅などに変化する。泉の森では他にガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなどが見られる。名前の由来は「藍色が集まったものを意味する集真藍(あづさい)が訛ったことから」など。
サンカクイ(三角藺)
カヤツリグサ科、全国に分布、水辺や湿地に生育、多年草。7~10月ごろ、茶褐色の花をつける(茎の先端に苞が直立し、そのわきから枝をだし小穂をつける)。名前の由来は「茎の断面が三角形をしていて畳表の原料になるイグサ(藺草)に似ていることから」。直立した苞の先が尖っているのでサギノシリサシとも呼ばれている。
ドクダミ(毒溜|毒痛)
ドクダミ科、本州~沖縄に分布、多年草。6~7月ごろ、淡黄色の花をつける(周辺の白い花弁に見えるのは葉が変化した総苞片)。 名前の由来は「毒を抑える毒矯みから」「毒にも痛みにも効く毒痛めから」「臭気があるのでに毒溜めから」など。薬の効能が十種あることからジュウヤク(十薬)とも呼ばれている。
ハナショウブ(花菖蒲)
アヤメ科、水辺など湿地に生育、ノハナショウブを改良した園芸品種、多年草。6月ごろ、白、紫、青、黄色などの花をつける。葉の中脈が目立つ。名前の由来は「葉がショウブに似ていて花が美しいことから」。ただし菖蒲湯に入れるショウブはショウブ科で別種。
キレハイヌガラシ(裂れ葉犬芥子)
アブラナ科、ヨーロッパ原産、多年草。4~8月ごろ、黄色の花を総状につける。種子と根茎により繁殖する。名前の由来は「葉に深い切れ込みがあることから」。ヤチイヌガラシとも呼ばれている。
ミドリハカタカラクサ(緑博多唐草|緑博多柄草)
ツユクサ科、南アメリカ原産、要注意外来種、常緑の多年草。4~8月ごろ、白色の花をつける。葉は表面も裏側も緑色(似ているノハカタカラクサの場合、葉の裏側は紫色を帯びている)。茎は地面をはうように長く伸び根をだす。
カワヂシャ(川萵苣)
オオバコ科、本州~沖縄に分布、2年草。5~6月ごろ、白色の花をつける(淡紅紫色の筋がある)。花は4裂して皿状に開く。若葉は食べられる。名前の由来は「川べりに生えるチシャ(レタス)ということから」。
コモチマンネングサ(子持ち万年草)
ベンケイソウ科、本州~沖縄に分布、多肉質、多年草。5~6月ごろ、黄色の花をつける。葉の基部に2~3対の葉をもつムカゴ(珠芽)を付け、ムカゴが地に落ちて繁殖する(種子はできない)。名前の由来は「葉の基部にムカゴを付けたマンネングサの意から」。
トキワハゼ(常盤爆)
ハエドクソウ科、全国に分布、1年草。4~11月ごろ、淡紫色の花をつける(唇形で上唇は紫色、下唇は紫色をおびた白色で黄色と赤褐色の斑紋がある)。名前の由来は「ほぼ1年中花が見られ、実がはぜることから」。
マメグンバイナズナ(豆軍配薺)
アブラナ科、北アメリカ原産、2年草。5~6月ごろ、緑白色の花をつける。名前の由来は「実を相撲で使う軍配に見立てたことから(グンバイナズナより実が小さいのでマメグンバイナズナ)」。
ノハカタカラクサ(野博多唐草|野博多柄草)
ツユクサ科、南アメリカ原産、要注意外来生物、常緑の多年草。4~8月ごろ、白色の花をつけ結実する。葉の裏側は紫色を帯び、茎と花柄は紅紫色。茎は地面をはうように長く伸び根をだす。葉がツユクサに似ていて常緑なのでトキワツユクサとも呼ばれている。
ビヨウヤナギ(美容柳|未央柳)
オトギリソウ科、中国原産、半常緑低木。6~7月ごろ、黄色の花をつける(花弁は5枚)。長いオシベが無数にあり曲線を描いている。名前の由来は「花が美しく葉が細くヤナギに似ていることから」。
ムラサキシキブ(紫式部)
シソ科、北海道~沖縄に分布、落葉低木。6~8月ごろ、葉のつけ根(葉腋)に淡紫色の花をまとめてつける。10~12月ごろ紫色に熟した実を付ける。幹は道具の柄、杖、箸などに使われる。名前の由来は「紫色の実の美しさを平安時代の作家・紫式部に見立てたことから」。
キキョウソウ(桔梗草)
キキョウ科、北アメリカ原産、1年草。5~7月ごろ、紫色の花を茎にそって段々につける。名前の由来は「キキョウに似た花を咲かせる草の意から」。茎に葉を段々と付け花を咲かせるのでダンダンギキョウとも呼ばれている。
コマツヨイグサ(小待宵草)
アカバナ科、北アメリカ原産、要注意外来生物、2年草。5~11月ごろ、黄色の花をつける(日中でも咲き、しぼむと朱色になる)。茎は地面を這う。名前の由来は「マツヨイグサの仲間で花が小さいことから」。
ツユクサ(露草)
ツユクサ科、全国に分布、1年草。6~9月ごろ、青色の花をつける(花弁は3枚で2枚は大きく、1枚は小さく白色)。名前の由来は「朝早く咲きはじめ午後にはしぼむので朝露を連想させるから」など。ボウシバナ(帽子花)とも、ツキクサ(着草、月草)とも呼ばれている。
ホタルブクロ(蛍袋)
キキョウ科、北海道~九州に分布、多年草。6~7月ごろ、白~淡紅紫色の花を下向きにつける(鐘形で濃い斑点がある)。名前の由来は「昔子どもがホタルを入れて遊んだから」「花の形が提灯(火袋(ほたる)という)に似ているから」など。梅雨のころ咲くのでアメフリバナとも呼ばれている。
ボタンクサギ(牡丹臭木)
クマツヅラ科、中国南部原産の庭木、落葉低木。6~7月ごろ、枝先に淡紅紫色の小さな花をアジサイのように半球状につける。半球状の花序は10~15cmほど、小さな花は細い筒型で先が五裂していてクサギの花に似ている。名前の由来は「半球状の花がボタンに似ていて葉が臭いことから」。
ノカンゾウ(野萱草)
ユリ科、本州~沖縄に分布、やや湿ったところに生育する多年草。7~8月ごろ、橙赤~赤褐色の花を咲かせる。花弁は6枚(一重)。名前の由来は「中国原産の萱草を日本語読みにしたことから」。花の色が赤いのでベニカンゾウとも呼ばれている。
ヌマトラノオ(沼虎の尾)
サクラソウ科、本州~九州分布、湿地に生育、多年草。7~8月ごろ、白い花を穂状につける。名前の由来は「長く伸びた花序がトラの尾に似ていて、沼などの湿地に生育することから」。似ている花→やや大柄なオカトラノオ
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)
クサスギカズラ科、本州~九州に分布、山林の日陰に生育、多年草。7~8月ごろ、白~淡紫色の花を下向きにつける。秋になると宝石のような紫色の実を付ける。名前の由来は「ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)より葉が太く大きく、花も大きいことから」。
キツリフネ(黄釣舟)
ツリフネソウ科、全国に分布、山地や林に生育、1年草。5~7月ごろ、黄色の花を吊り下げるようにつける。名前の由来は「花の形が帆掛け船をつり下げたように見え黄色の花をつけることから」。泉の森では湿地に生育し赤紫色の花を咲かせるツリフネソウも見ることができる。
ネジバナ(捩花)
ラン科、全国に分布、日当たりのいい草地に生育、多年草。5~8月ごろ、淡紅色の花をらせん状につける。名前の由来は「細長い花茎に小さな花をらせん状につけることから」。右巻きも左巻きもある。別名は捩じれ模様に染めた絹織物にたとえてモジズリ(捩摺)。ネジリバナ、ネジレバナ、ねじり草などとも呼ばれている。
オカトラノオ(岡虎の尾)
サクラソウ科、北海道~本州~九州分布、丘陵の草地に生育、多年草。6~7月ごろ、白い花を穂状につける。花穂の先が垂れ下がる。名前の由来は「長く伸びた花序がトラの尾に似ていて、丘陵の草地に生育することから」。
ネムノキ(合歓の木)
マメ科、本州~沖縄に分布、落葉高木。6月~7月ごろ、淡紅色の花をつける。花びらは発達せず小さく、糸状に伸びているのが雄しべと雌しべ、先端の黄色に見えるのは花粉。桃のように甘い香りがする。名前の由来は「夜になると葉が閉じるので眠りの木がネムノキとなった」など。触ると葉が閉じるのはオジギソウでネムノキとは別種。
ツルマンネングサ(蔓万年草)
ベンケイソウ科、中国東北部、朝鮮半島原産、河原や石垣に生育、つる性、多肉植物、多年草。6~7月ごろ、黄色の花をつける。花をつけない茎は地をはう。名前の由来は「つる性マンネングサの意から」。
ハゼラン(爆蘭)
ハゼラン科、熱帯アメリカ原産、多年草。夏~秋にかけて、赤色の花(花弁は5枚)を線香花火のようにつける。名前の由来は「はぜるように美しい花をつけることから(美しい花を欄に例えた)」など。午後3時ごろから咲くのでサンジソウ(三時草)とも呼ばれている。
ハンゲショウ(半夏生|半化粧)
ドクダミ科、本州~沖縄に分布、水辺に生育、多年草。6~8月ごろ、淡黄色の花を穂状につける。名前の由来は「半夏生(夏至から11日目、7月2日ごろ)のころ花をつけることから」「葉の半分ほどが白くなることから」など。葉の片面(表面)だけが白くなることからカタシログサ(片白草)とも呼ばれている。
エノコログサ(狗尾草)
イネ科、全国に分布、1年草。8~11月ごろ、淡緑色の花をつける。花序は長さ3-6cm、幅8mmほどの円柱状で、緑色の小穂を密につけ、先端がやや垂れ下がる。名前の由来は「花穂が犬の尾に似ていることから犬っころ草(いぬっころくさ)、転じてエノコログサと呼ばれるようになった」。猫をじゃらすことができるのでネコジャラシとも呼ばれている。
ムラサキカタバミ(紫片喰|紫酢漿草)
カタバミ科、南アメリカ原産、要注意外来生物、多年草。5~7月ごろ、紅紫色の花をつける(花の中心部は淡緑色)。名前の由来は「カタバミに似ていて花色が紫色を帯びることから」。キキョウカタバミ(桔梗片喰)とも呼ばれている。
メマツヨイグサ(雌待宵草)
アカバナ科、 北アメリカ原産、要注意外来生物、2年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける(しぼんでも赤くならない)。名前の由来は「宵になるのを待つように夕方から花をつけることから」。マツヨイグサ、オオマツヨイグサなどがあり、ツキミソウ(月見草)、ヨイマチグサ(宵待ち草)とも呼ばれている。
ヒツジグサ(未草)
スイレン科、全国に分布、水生植物、多年草。6~11月ごろ、白色の花をつける(萼片は4枚、花弁は10枚ほど)。スイレン属として国内で自生する唯一種。葉も花も水面に浮かべる。名前の由来は「未の刻(午後2時ごろ)に花を咲かせることから(実際は10時ごろから咲かせる)」。漢名でスイレン(睡蓮)とも呼ばれている。
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)
キジカクシ科、北海道~九州に分布、山野に生育する多年草。7~8月ごろ、白~淡紫色の花を横向きにつける。名前の由来は「つぼみが擬宝珠(ぎぼし=橋の欄干に付いている葱坊主のような装飾品)に似ていて葉が大きいことから」。葉が小さく湿地に生えるのはコバギボウシ(小葉擬宝珠)。
オオバノトンボソウ(大葉の蜻蛉草)
ラン科、本州~四国~九州に分布、丘陵や浅い山林の内に生える多年草。6~7月ごろ、黄緑色花を10個ほどつける。茎は30cmほどになる。葉は互生し下の2枚が大きく、上の葉は小さい。名前の由来は「花の形がトンボを連想させるトンボソウに似ていて葉が大きいことから」。年々少なくなっている希少種。
チダケサシ(乳蕈刺)
ユキノシタ科、本州~九州に分布、山野や湿地に生育、多年草。6~8月ごろ、淡紅色の花をつける(花序は細長い円錐状)。名前の由来は「長い花茎にチダケ(乳茸)という食用になるキノコを刺して持ち帰ったことから」。
フシグロセンノウ(節黒仙翁)
ナデシコ科、本州(関東地方以西)~九州に分布、林床に生育、多年草。7~10月ごろ、朱色の花をつける。名前の由来は「茎の節の部分が黒く、中国原産のセンノウ(仙翁)と同じ仲間であることから」。
ヤマユリ(山百合)
ユリ科、本州(中部地方以北)に分布、多年草。7~8月ごろ、黄色の筋が入った白色の花をつける(花被片はそり返り赤褐色の斑点がある)。花の大きさはユリの中でも最大級、種から開花まで5年以上かかる。名前の由来は「山地に生育するから」。
タシロラン(田代欄)
ラン科、本州(関東地方南部)~沖縄に分布、葉緑素を持たない腐生植物。6~7月ごろ、黄色を帯びた白色の花をつける。常緑樹の林床に生育、菌類から栄養素を得て生育している。名前の由来は「発見者の田代善太郎氏の名前から」。
ヤブミョウガ(藪茗荷)
ツユクサ科、本州(関東地方以西)~沖縄に分布、林床や藪で生育、多年草。8~9月ごろ、白色の花を輪生状に数段つける(両性花と雄花がまじってつく)。実は熟すと藍紫色になる。名前の由来は「ヤブ(藪)に生えて葉がミョウガ(茗荷)に似ていることから」。
サネカズラ(真葛|実葛)
マツブサ科、本州関東以西から沖縄に分布、常緑つる性大木。8月ごろ、黄白色の小さな花(直径1.5cmほど)を下向きにつける。花被片は9~15個。雌雄異株(まれに雌雄同株もある)。雄花は雄しべが中央部に球状に集まって赤く見える(赤いのは葯隔、黄色の点々は葯)。雌花も雌しべが球状に集まるが緑色なので目立たない。10月ごろになると液果が球状に集まった実(直径2〜3cm)が熟す。名前の由来は「実(サネ)が美しいカズラだから」など。つるからとった液を整髪に使ったことからビナンカズラ(美男葛)とも呼ばれている。
イヌゴマ(犬胡麻)
シソ科、北海道~九州に分布、湿地に生育、多年草。7~8月ごろ、淡紅色の花をつける。名前の由来は「ゴマ(胡麻)のような黒い実をつけるが食べられないことから(イヌというのは役立たないの意)」。根を食用にするするチョロギに似ているが食べられないのでチョロギダマシとも呼ばれている。
ハエドクソウ(蝿毒草)
ハエドクソウ科、北海道~九州に分布、林床に生育、多年草。7~8月ごろ、白色で淡紅色を帯びた花を穂状につける。つぼみは上向き、開花すると横向きになり、果期には下を向く。名前の由来は「根を煮つめた汁でハエ捕り紙を作ったことから」。ハエトリソウ(蝿捕草)とも呼ばれている。
キカラスウリ(黄烏瓜)
ウリ科、北海道~九州に分布、つる性の多年草。7~9月ごろ、黄白色の花をつける(花びらの縁はレース状に広がる)。雌雄異株。日没後から開花し翌日午後まで開花し続ける。 実は12月ごろ黄色に熟す。直径7~8cmほどの球形でカラスウリの実より大きい。名前の由来は「カラスウリに似ていて実が熟すと黄色になることから」。
ミゾカクシ(溝隠)
キキョウ科、全国に分布、つる性の多年草。6~10月ごろ、淡紅紫色を帯びた花をつける。花冠は5裂し、2弁は横向きに3弁は下向きにつき、半円形に見える。名前の由来は「溝の近くに生育し溝を隠すように茂ることから」。田のあぜにムシロを敷いたように群生するのでアゼムシロとも呼ばれている。
ヤブカンゾウ(藪萱草)
ワスレグサ科、中国原産、多年草。7~8月ごろ、橙赤色の花をつける(八重で雄しべと雌しべが花弁状になっている)。名前の由来は「中国原産の萱草を日本語読みにしたことから」。萱草(かんぞう)というのは漢名で「憂い(うれい)を忘れさせる草」という意味がありワスレグサとも呼ばれている。
オニユリ(鬼百合)
ユリ科、北海道~本州~四国~九州に分布、多年草。花期は7~8月ごろ、花びらは唐赤色で、強く反りかえり、濃い斑点がある。種ができないので、葉の基部に黒紫色の珠芽(むかご)を付け、地面に落として増やす(珠芽を付けるユリは日本ではオニユリだけ)。名前の由来は「唐赤色の花を赤鬼の顔に見立てたことから」など。
レンゲショウマ(蓮華升麻)
キンポウゲ科、本州(東北地方~近畿地方)に分布、多年草。7~8月ごろ、淡紫色の花を下向きにつける。名前の由来は「花がハスの花=蓮華(レンゲ)に似ていて、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ていることから」。
キヌタソウ(砧草)
アカネ科、全国に分布、林床に生育、多年草。6~8月ごろ、白色の小さな花をつける(花弁は4枚)。葉は3本の筋が目立ち、4枚が輪生している。名前の由来は「実の形を洗濯に使うきぬた(砧)に見立てたことから」。
サジガンクビソウ(匙雁首草)
キク科、本州~沖縄に分布、多年草。8~10月ごろ、緑白色の花を1個1個下向きにつける(花の形は半球形)。総苞はそりかえる。名前の由来は「花が煙筒(きせる)の雁首(がんくび)を連想させ、葉が匙(さじ)に似ていることから」。泉の森ではガンクビソウ、ヤブタバコ、コヤブタバコなども見ることができる。
ヒメガマ(姫蒲)
ガマ科、北海道~九州に分布、雌雄同株、池や沼などの水辺に生育する多年草。6~8月ごろ、茎の先に円柱形の赤褐色の花序をつける(上部は雄花の集まりで細く、下部は雌花の集まりで太い)。ヒメガマは雌花穂と雄花穂が離れている。葉や茎からすだれやむしろを作ったことからミスグサ(御簾草)とも呼ばれている。
ヤブガラシ(藪枯らし)
ブドウ科、全国に分布、つる性、多年草。6~8月ごろ、淡緑色の花をつける(花びらは4枚)。開花後、黄赤色の花が目立つようになる。名前の由来は「藪を枯らしてしまうほど繁殖力が旺盛なことから」。藪を枯らし家を貧乏にしてしまうことからビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれている。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)
ヤマゴボウ科、北アメリカ原産、多年草。6~9月ごろ、わずかに紅色を帯びた白色の花(直径5~6cm)をつける。花序には長い柄があり、実が熟すと垂れ下がり、
実は黒紫色になる。実を潰して水に溶かすと美しい紅紫色の水になるので字を書いたり、染色したことが思い出される。名前の由来は「西洋から入ってきた洋種で根が太くゴボウに似ていることから」。アメリカヤマゴボウとも呼ばれている。
コバギボウシ(小葉擬宝珠)
クサスギカズラ科、本州~九州に分布、湿地に生育、多年草。7~8月ごろ、淡紫~濃紫色の花を横向きにつける。名前の由来は「つぼみが擬宝珠(ぎぼし=橋の欄干に付いている装飾品)に似ていて葉が小さいことから」。
クサギ(臭木)
シソ科、全国に分布、落葉小高木。7~9月ごろ、甘い香りのする白色の花をつける。花弁は萼から長く突き出し、雄しべ、雌しべはさらに突き出す。実は紺色に熟し、赤いがくが開いて残るためよく目立つ。名前の由来は「葉に悪臭があることから」。
チゴザサ(稚児笹)
イネ科、本州~九州に分布、湿地に生育する多年草。8~10月ごろ、赤紫色を帯びた小さな花をつける。花序は3~6cmの円錐状、花序の枝は細く、その先に小穂をたくさんつける。名前の由来は「葉が笹に似ていて小さいことから」。
ユキザサ(雪笹)
キジカクシ科、全国に分布、半日陰になる林床に生育、多年草。4~6月ごろ、白色の花をつける。実は熟すと赤色になる。名前の由来は「葉がササに似ていて小さな白い花が雪を連想させることから」。
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ヒガンバナ科、本州~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、黄赤色の花をつける。名前の由来は「花が狐色をしていて葉の形がカミソリに似ていることから」「花が咲くときには葉がないのでキツネにつままれたようなので」など。
マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)
ヒルガオ科、熱帯アメリカ原産、つる性、1年草。8~10月ごろ、葉の付け根に直径2cmほどの紅色の花をつける(花冠の上部は5裂し星形に開く)。古くから観賞用に栽培され、野生化している。名前の由来は「葉が糸のように細く紅い花を咲かせるルコウソウに対し葉が丸いことから(縷=細い糸のこと)」。花色は白色などもある。
ママコノシリヌグイ(継子の尻拭)
タデ科、全国に分布、1年草。 5~10月ごろ、花は枝先に10数個集まってつく。花被は5裂し、先端部は紅色、基部は白色。葉は互生し長三角形、茎や葉柄、葉裏に下向きの鋭い刺がある。名前の由来は「憎い継子の尻はこの草で拭くという連想から?」。茎や葉にトゲががあるのでトゲソバとも呼ばれている。
ダイコンソウ(大根草)
バラ科、北海道~九州に分布、多年草。6~8月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「根出葉(根元から出ているように見える葉)が大根の葉に似ていることから」。アブラナ科のダイコン(大根)とは関係ない。
ソクズ(蒴くず)
ガマズミ科、本州~九州に分布、多年草。7~8月ごろ、白色の花をつける。花序の中に黄色の杯状の蜜をためる腺体がある。名前の由来は「韓名のサクダク(蒴だく)から転化したもの」。葉や実がニワトコに似ていることからクサニワトコ(草接骨木)とも呼ばれている。
タマアジサイ(玉紫陽花)
アジサイ科、本州(北部以南~中部地方)に分布、落葉低木。7~9月ごろ、玉のような蕾が裂け淡紫色の花をつける(まわりには白色の花は装飾花)。名前の由来は「蕾が苞に包まれ玉状になっていることから」。
ナツエビネ(夏海老根)
ラン科、北海道(南部)~九州に分布、湿り気のある林床に生育、常緑、多年草。7~8月ごろ、淡紅紫色の花をつける。名前の由来は「エビネの仲間では例外的に夏に咲くことから」。絶滅の危険が増大している種として「環境省絶滅危惧Ⅱ類」に指定されている。
ウバユリ(姥百合)
ユリ科、本州(関東地方以西)~九州に分布、薮や林床に生育、多年草。7~8月ごろ、緑白色の花を横向きにつける。花被片の内側に紫褐色の斑点があるものもある。名前の由来は「花が咲くころになると根元の葉が枯れてなくなるので葉(歯)がない姥(うば)にたとえたことから」。
ヒヨドリバナ(鵯花)
キク科、全国に分布、林道や草原に生育、多年草。8~10月ごろ、白色の小さな筒状の花をつける。名前の由来は「ヒヨドリが山から下りてきて鳴くころに花が咲くことから」。
オオバコ(大葉子)
オオバコ科、全国に分布、多年草。4~9月ごろ、白~淡緑色の花を下から上へと順次つける。平地の道ばたや広場、田畑のあぜ道など人に踏まれても生育する路上植物。名前の由来は「葉の幅が広く大きいことから」。馬車や牛車が通る道端に生えることからシャゼンソウ(車前草)とも呼ばれている。
ジュズダマ(数珠玉)
イネ科、熱帯アジア原産、水辺に生育、多年草。9~11月ごろ、実のように見える苞鞘(ほうしょう)の先に白色の雌花を、その先に黄色の雄花をつける(雌雄同株)。苞鞘の中心は穴があいているので数珠や首飾りに使われた。名前の由来は「苞鞘が数珠の玉に使われたことから」。トウムギ(唐麦)とも呼ばれている。
ヤマノイモ(山の芋)
ヤマノイモ科、本州~沖縄に分布、つる性の多年草。7~8月ごろ、白い小さな花をつける。雌雄異株で、雄花序は葉腋から直立し花を多数つけ、雌花序は葉腋から垂れ下がり花をまばらにつける。葉は対生。名前の由来は「サトイモ(里芋)に対し山野に自然に生育するイモであることから」。ジネンジョとも呼ばれている。
ミズタマソウ(水玉草)
アカバナ科、北海道~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、白色または淡紅色の花をつける。花弁が2枚、顎が2枚、雄しべが2本の2数性。名前の由来は「白い毛が密生した球形の実が露に濡れた様子を水玉にたとえたことから」。
アキノタムラソウ(秋の田村草)
シソ科、本州~沖縄に分布、多年草。7~11月ごろ、淡青紫色の花をつける(唇形の花が数段にわたって輪生する)。花冠の外側には白い毛が多い。学名はSalvia japonica(日本のサルビア)。タムラソウの仲間にハルノタムラソウ、ナツノタムラソウがある。
オニドコロ(鬼野老)
ヤマノイモ科、北海道~九州に分布、つる性、多年草。7~8月ごろ、淡緑色の花をつける。雌雄異株。雌花は垂れ下がり実をつける(子どものころ鼻に付けて遊んだ)。名前の由来は「根茎のヒゲ根を野の老人のヒゲに見立て野老(ところ)、同じ仲間のタチドコロやヒメドコロより葉が大きいことから」。トコロとも呼ばれている。
ツルニガクサ(蔓苦草)
シソ科、全国に分布、山地や湿った半日蔭に生育、多年草。7~9月ごろ、淡紅色の唇形の花を総状につける。下唇は3裂しているが中央の一片だけが大きい。雌しべと雄しべ4本は花弁の外へ長く突き出ている。名前の由来は、葉や茎をかんでも苦くないので不明。
ミズヒキ(水引)
タデ科、全国に分布、多年草。8~10月ごろ、細い総状花序に小さな赤色の花をつける(花弁のように見える花被片は上側の3枚が赤く、下側の1枚は白い)。名前の由来は「花を上から見ると赤く、下から見ると白く見えるので、祝い事で使う紅白の水引に似ていることから」。
カラスウリ(烏瓜|唐朱瓜)
ウリ科、本州~九州に分布、つる性、多年草。8~9月ごろ、夜行性の蛾を引き寄せるため日没後に白色の花をつける(花びらの縁はレース状に広がる)。 実は朱赤色に熟す。名前の由来は「実の色が唐から伝来した唐朱(朱墨)に似ていることから」。縦に隆起した帯がある種子を結び文にたとえタマズサ(玉章)とも呼ばれている。
シモツケ(下野)
バラ科、本州~九州に分布、落葉低木。5~8月ごろ、紅紫色の花を半球状につける。9~10月ごろ、実が熟し裂開して種子をだす。名前の由来は「栃木県の下野(しもつけ)産のものがよく栽培されたから」。
タコノアシ(蛸の足)
タコノアシ科、本州~九州に分布、湿地に生育、多年草。8~9月ごろ、黄緑色の花をつける(花弁はない)。秋になると実が熟し紅葉する(ゆで蛸のようになる)。名前の由来は「花の形が吸盤のついたタコ(蛸)の足のように見えることから」。環境省の準絶滅危惧種に登録されている。
ヘクソカズラ(屁糞葛)
アカネ科、全国に分布、つる性。7~9月ごろ、筒形をした灰白色の花をつける(内側は赤紫色)。名前の由来は「揉むと嫌な匂いがすることから。」花を早乙女が用いるかんざしに見立ててサオトメバナ(早乙女花)、お灸をすえた後のように見えるのでヤイトバナ(灸花)とも呼ばれている。
ガガイモ(蘿芋)
キョウチクトウ科、北海道~九州に分布、つる性、多年草。8月ごろ、葉の脇から長い花柄を伸ばし淡紫色の花をつける。名前の由来は「古い名をカガミといい、カガミイモが転じたもの」など。茎を切ると白い液が出るのでチチクサ(乳草)とも呼ばれている。
ウマノスズクサ(馬の鈴草)
ウマノスズクサ科、本州(関東地方以西)~沖縄に分布、つる性、多年草。7~9月ごろ、茶色の筒状の花をつける。筒から小さなハエをおびき寄せ、球状にふくらんだ部分に閉じ込め花粉を運んでもらう仕組みになっている。名前の由来は「熟した実の基部から6裂してぶら下がる様子が馬の首に掛ける鈴に似ていることから」など。
キバナコスモス(黄花秋桜)
キク科、メキシコ原産、多年草。6~11月ごろ、黄色の花をつける。コスモスより草丈が低い。花の色が赤色の品種もある。名前の由来は「コスモスに似ていて黄色の花をつけることから」。
ミソハギ(禊萩)
ミソハギ科、北海道~九州に分布、水辺に生育、多年草。7~8月ごろ、紅紫色の花をつける。名前の由来は「枝を水に 浸して仏前の供物に禊ぎ(みそぎ)をしたことからミソギハギ、それがミソハギになった」。旧盆のころに咲き仏前に供えられるのでボンバナ(盆花)、ショウリョウバナ(精霊花)とも呼ばれている。
キツネノマゴ(狐の孫)
キツネノマゴ科、本州~九州に分布、草地に生育、1年草。8~10月ごろ、淡紅紫色の唇形の花を穂状につける。名前の由来は「花が咲いた後の伸びる花序がキツネの尾に似ていることから」「花の形が子狐の顔に似ていることから」など。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
キキョウ科、全国に分布、多年草、8~10月ごろ、薄紫色の釣鐘状の花を下向きにつける。名前の由来は「釣鐘状の花を咲かせ根が太くニンジンに似ていることから」。花の形からフウリンソウ(風鈴草)、ツリガネソウ(釣鐘草)とも呼ばれている。
マキエハギ(蒔絵萩)
マメ科、本州以西に分布、落葉小低木。 8~9月ごろ、花は小さく(4-5mm)、白色で一部に紫紅色を帯びる。萼片は細くて針状。葉は3出複葉、小葉は楕円形、先端に小さな棘がある。多くの県で絶滅危惧または準絶滅危惧種、神奈川県でも少ない。名前の由来は「まっすぐ伸びた細い花柄が蒔絵の手法を思わせることから」