オオハナワラビ(大花蕨)
ハナヤスリ科、本州(東北地方中部以南)~九州に分布、林床に生育、シダ植物(胞子によって増える植物)、多年草。秋に栄養葉と胞子葉を出し、9~10月ごろ胞子が熟す。 名前の由来は「大形の胞子が花のように見えるハナワラビであることから」。
ニホンスイセン(日本水仙)
ヒガンバナ科、地中海沿岸原産、多年草。12~4月ごろ、芳香のある花をつける(花被片はクリーム色を帯びた白色、中心部の副花冠は黄色)。渡来したスイセンのうち関東地方以西~四国~九州の温暖な海岸に野生化し群生したもの。スイセンの名前の由来は「水辺で咲く姿を仙人にたとえた水仙(漢名)を音読みにした」など。
ヒイラギナンテン(柊南天)
メギ科、中国原産、常緑低木。3~4月ごろ、黄色の小さな花をつける。実は熟して紫黒色になる。葉は魔除けのため玄関先などに植えるヒイラギ(柊)に似てトゲがある。名前の由来は「姿がナンテンに似ていて葉がヒイラギに似ていることから」など。唐から渡来したのでトウナンテン(唐南天)とも呼ばれている。
シナマンサク(支那満作)
マンサク科、中国原産、落葉小高木。1~3月ごろ、黄色の花をつける(花弁はリボン状で4枚、顎も4枚、雄しべは4本)。花が咲く時期でも褐色の枯れ葉が残っているのでマンサク(満作)と見分けることができる。名前の由来は「マンサク科の花で中国原産であることから」。
ネコヤナギ(猫柳)
ヤナギ科、北海道~九州に分布、流れが速い水辺に生育、落葉低木。3~4月ごろ、銀白色の花をつける。雌雄異株で、それぞれが雌花、雄花を咲かせる。雄花は葯が紅色で白色の花粉をつける。名前の由来は「雄花の銀白色の毛で覆われた花穂がふさふさとしていて猫の尾に似ているから」など。
ホトケノザ(仏の座)
シソ科、本州~沖縄に分布、2年草。3~6月ごろ、紅紫色の花をつける。名前の由来は「茎を取り囲んでいる葉の様子が仏の蓮華座(れんげざ)に似ているから」。葉が段々になっているのでサンガイグサ(三階草)とも呼ばれている。
ミスミソウ(三角草)
キンポウゲ科、本州(中部地方以西)に分布、多年草。3~4月ごろ、白、桃、紫色の花をつける(花弁はなく萼片が花弁のようになっている)。名前の由来は「葉が3裂し先端がとがっていることから」。雪の下でも常緑なのでユキワリソウ(雪割草)とも呼ばれている(山地に咲くサクラソウ科のユキワリソウとは別種)。
フクジュソウ(福寿草)
キンポウゲ科、北海道~九州に分布、多年草。春をつげる代表的な花。3~4月ごろ、黄色の花をつける。花が咲いてから茎や葉が伸び、さらに花が咲く。名前の由来は「めでたい旧暦の正月ころに咲くことから」。元旦に飾る風習があったのでガンジツソウ(元日草)とも呼ばれている。
ウグイスカグラ(鶯神楽)
スイカズラ科、北海道~九州に分布、落葉低木。3~5月ごろ、淡紅色の花を対につける。4~5月になると
実が赤く熟す。名前の由来は「花の咲いている様子がウグイスが神楽を踊っているように連想されることから」。カグラはカズラ(葛=つる性)ではなくカグラ(神楽)。
シキミ
マツブサ科、本州(中部地方以南)~沖縄に分布、常緑高木。3~4月ごろ、黄白色の花をつける。古くから仏前に供えられ寺院や墓地に植えられている。葉や樹皮を傷つけると抹香の香りがする。根や茎、葉、実など全て有毒、特に果実は猛毒。名前の由来は「有毒なので「悪しき実」がなまったことから」など。
ユキヤナギ(雪柳)
バラ科、本州(東北南部)~九州に分布、落葉低木。3~5月ごろ、白色の花をつける(花弁は5枚)。枝いっぱいに咲くので枝は弓形に垂れる。名前の由来は「葉が柳に似ていて、花が雪が積もったように咲くことから」。 白米が集まったように見えるのでコゴメバナ(小米花)、コゴメヤナギ(小米柳)とも呼ばれている。
ボケ(木瓜)
バラ科、中国原産、落葉低木。3~4月ごろ、赤、桃、白色の花をつける。黄色に熟した実は砂糖煮や実酒に使われる。名前の由来は「実が瓜に似ていて木になる瓜で木瓜(ボックワ)が転化した」など。11月ごろから咲き出すカンボケ(寒木瓜)と呼ばれるボケもある。
サンシュユ(山茱萸)
ミズキ科、中国~朝鮮半島原産、落葉小高木。3~4月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「中国名「山茱萸」の音読みから(茱萸はグミのことでグミのような赤い実をつける)」。春先に黄色の花をつけるのでハルコガネバナ(春黄金花)、秋に実が赤く熟すのでアキサンゴ(秋珊瑚)とも呼ばれている。