ヒイラギナンテン(柊南天)
メギ科、中国原産、常緑低木。3~4月ごろ、黄色の小さな花をつける。実は熟して紫黒色になる。葉は魔除けのため玄関先などに植えるヒイラギ(柊)に似てトゲがある。名前の由来は「姿がナンテンに似ていて葉がヒイラギに似ていることから」など。唐から渡来したのでトウナンテン(唐南天)とも呼ばれている。
シナマンサク(支那満作)
マンサク科、中国原産、落葉小高木。1~3月ごろ、黄色の花をつける(花弁はリボン状で4枚、顎も4枚、雄しべは4本)。花が咲く時期でも褐色の枯れ葉が残っているのでマンサク(満作)と見分けることができる。名前の由来は「マンサク科の花で中国原産であることから」。
フクジュソウ(福寿草)
キンポウゲ科、北海道~九州に分布、多年草。春をつげる代表的な花。3~4月ごろ、黄色の花をつける。花が咲いてから茎や葉が伸び、さらに花が咲く。名前の由来は「めでたい旧暦の正月ころに咲くことから」。元旦に飾る風習があったのでガンジツソウ(元日草)とも呼ばれている。
シキミ
マツブサ科、本州(中部地方以南)~沖縄に分布、常緑高木。3~4月ごろ、黄白色の花をつける。古くから仏前に供えられ寺院や墓地に植えられている。葉や樹皮を傷つけると抹香の香りがする。根や茎、葉、実など全て有毒、特に果実は猛毒。名前の由来は「有毒なので「悪しき実」がなまったことから」など。
レンプクソウ(連福草)
ガマズミ科、北海道~九州に分布、林床に生育、多年草。3~5月ごろ、黄緑色の花を5個あつめてつける(横向きに4個、頂部に1個)。名前の由来は「地下茎がフクジュソウ(福寿草)につながっているように見えたことから」など。花が5個あつまってつくのでゴリンバナ(五輪花)とも呼ばれている。
レンギョウ(連翹)
モクセイ科、中国原産、落葉低木。3~4月ごろ、黄色の花をつける。枝は半つる性で、湾曲して地面に接するまで垂れ下がり、そこから根を出す。名前の由来は「漢名の連翹を音読みしたことから(実は誤用)」。枝が中空になるのでレンギョウウツギとも呼ばれている。
キブシ(木五倍子)
キブシ科、北海道(西南部)~九州に分布、日陰気味の林縁に生育する落葉低木。3~4月ごろ、鐘形の花を垂れ下げる。雌雄異株で雄花は淡黄色、雌花はやや緑色を帯びる。名前の由来は「実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことから」。藤に似ているのでキフジ(黄藤)とも呼ばれている。
クロモジ(黒文字)
クスノキ科、本州~九州に分布、落葉低木。4月ごろ、芽吹きと同時に淡黄色の花をつける。9月~10月ごろ、黒色の実をつける。葉や樹皮に芳香があり高級爪楊枝(つまようじ)の材料になる。名前の由来は「木肌にでる黒い斑紋が文字のように見えることから」。
シュンラン(春蘭)
ラン科、北海道~九州に分布、多年草。3~4月ごろ、薄黄緑色の地味な花をつける(萼片が薄黄緑色、唇弁は白色で濃赤紫色)。葉は地面からまっすぐ伸びる。名前の由来は「春先に咲くランであることから」。花の模様の様子から「ホクロ」とか「ジジババ」とも呼ばれている。
ウラシマソウ(浦島草)
サトイモ科、北海道(南部)~九州に分布、多年草。4~5月ごろ、大きな茶褐色の仏炎苞の中に花をつけ、花を咲かせる茎からは紐がのびている。雌雄異株。名前の由来は「長い紐のようなものを浦島太郎の釣り糸に見立てたことから」。
アオキ(青木)
アオキ科、北海道(南部)~沖縄に分布、常緑低木。3~5月ごろ、褐色の花をつける。雌雄異株(写真の花は雄株の花)。12月~5月ごろ、
実が熟し赤色になる。つやのある葉と赤い実が美しいので観賞用として庭にも植えられている。名前の由来は「常緑で葉も枝も年中青いことから」。
ヘビイチゴ(蛇苺)
バラ科、全国に分布、多年草。4~6月ごろ、黄色の花をつける(花弁は5枚)。実は熟すと真っ赤になる(光沢はない)、毒はないが中はスカスカで食べられない。名前の由来は「人が食べられないイチゴであることから」。葉も実もやや大型で、副萼片が大きく、実に光沢があるのはヤブヘビイチゴ。
ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)
バラ科、本州~九州に分布、多年草。4~6月ごろ、黄色の花をつける(花弁は5枚)。ヘビイチゴより葉も実もやや大型で、副萼片が大きく、
熟した実は真っ赤で光沢がある。実に毒はないが中はスカスカで食べられない。名前の由来は「ヘビイチゴよりやや大型であることから」。
キジムシロ(雉蓆|雉莚)
バラ科、全国に分布、多年草。4~5月ごろ、黄色の花をつかる(萼片の外側に副萼片がある)。名前の由来は「大きく広がった株をキジが座るムシロに見たてたことから」。
サンショウ(山椒)
ミカン科、北海道~九州に分布、落葉低木。春先、黄色の花をつける。若葉は懐石料理などの彩りとして添えられたり吸物に浮かべられたり、未熟な実は茹でて佃煮に、熟した実は香辛料として利用されている。葉はミカン科なのでアゲハの幼虫の食草になる。名前の由来は「山の薫り高い実であることから(椒には芳しいの意がある)」。
ヤマブキソウ(山吹草)
ケシ科、本州~九州に分布、多年草。4~6月ごろ、鮮黄色の花をつける。ヤマブキソウはケシ科(ヤマブキはバラ科)、花弁は4枚(ヤマブキは5枚)の違いがある。名前の由来は「 ヤマブキに似ていることから」。クサヤマブキ(草山吹)とも呼ばれている。
コメツブツメクサ(米粒詰草)
マメ科、ヨーロッパ、西アジア原産、1年草。5~7月ごろ、黄色の花をつける(5~20個ほどが球状に集まる)。名前の由来は「花や葉が小さいことから」。コゴメツメクサ(小米詰草)とか、花の色が黄色なのでキバナツメクサ(黄花詰草)とも呼ばれている。
コナラ(小楢)
ブナ科、北海道~九州に分布、落葉高木。4~5月ごろ、黄褐色の花をつける。雌雄同株(雄花は枝から垂れ下げ、雌花は新枝の上につける)。木炭の原料になったりシイタケの原木に使われたり、秋に実るドングリは細くてやや小さい。名前の由来は「ミズナラと比較して小さいことから」など。
ニワトコ(庭常|接骨木)
ガマズミ科、本州~九州に分布、落葉低木。3~5月ごろ、淡黄色の小さな花をたくさん咲かせる。果実は球形、6~8月ごろ赤色に熟す。名前の由来は「庭に常に植えられていたことから」など。骨折したときの湿布薬として用いられたのでセッコツボク(接骨木)とも呼ばれている。
ミツバツチグリ(三葉土栗)
バラ科、全国に分布、多年草。4~5月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「葉が3枚で根茎がツチグリ(土栗)のように肥大することから」。
ヤマブキ(山吹)
バラ科、 中国原産、落葉低木。3~6月ごろ、黄色の花を咲かせる(花びらは5枚)。八重咲きになるヤエヤマブキは実を付けない。名前の由来は「山の中に生え花の色がフキ(蕗)に似ているから」「 枝が風にゆれる様子から「山振」の字があてられ「山吹」になった」など。
トウダイグサ(燈台草)
トウダイグサ科、本州~沖縄に分布、2年草。4~6月ごろ、薄黄緑色の花をつける。花は枝分かれした枝の先端に杯状の花序を付けている。名前の由来は「黄色い花をつけて分枝した姿が皿に菜種油を入れた灯明をおく燈台を連想させることから」。
オヘビイチゴ(雄蛇苺)
バラ科、本州~四国~九州に分布、やや湿ったところに生育する多年草。5~6月ごろ、茎の先に黄色い小さな花をつける。名前の由来は「ヘビイチゴより大型であることから」。しかし、花はヘビイチゴより小さく直径8mmほど(ヘビイチゴの花は直径12~15mm)。茎は地を這い、ヘビイチゴ属ではなくキジムシロ属。
タガラシ(田芥子|田辛子|田枯らし)
キンポウゲ科、全国に分布、水田や溝などに生育、1年草。4~5月ごろ、黄色い花をつける。花のあと花床は大きくなり楕円形の集合果になる。名前の由来は「辛味があることから田辛し(毒性があるので要注意)」、「田を枯らすように繁殖することから田枯らし」など。
カントウタンポポ(関東蒲公英)
キク科、本州(関東地方、静岡県、山梨県)に分布、多年草。3~5月ごろ、黄色の花をつける。 萼片は反り返っていない(路地などに生える外来種のセイヨウタンポポは萼片が反り返っている)。名前の由来は「漢名(蒲公英)をそのまま和名にしたことから」。アズマタンポポ(東蒲公英)とも呼ばれている。
オニノゲシ(鬼野罌栗)
キク科、ヨーロッパ原産、2年草。花期は4~10月ごろ、黄色の花をつける。葉は茎を抱き、刺があって触ると痛い。名前の由来は「ノゲシに似ているが葉に刺があって荒々しいことから」。
オニタビラコ(鬼田平子)
キク科、全国に分布、1~2年草。5~10月ごろ、黄色の花をつける。垂直に伸びた茎の上部が枝分かれして花をつける(蕾の周辺は赤味を帯びている)。茎や葉を切ると白い乳液がでる。名前の由来は「田にロゼット状の根生葉を平たく広げるタビラコに似ていて大型であることから」。
カキネガラシ(垣根芥子)
アブラナ科、ヨーロッパ原産、1~2年草。4~6月ごろ、黄色の花をつける。日当たりのいい道ばたや荒れ地に生育、茎は分枝し下向きの毛がある。名前の由来は「垣根のようなカラシナ・・・枝を広げると垣根のように見えることから」。
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科、ヨーロッパ原産、要注意外来生物、多年草。3~9月ごろ、黄色の花をつける。都市部の路地などに生え、萼片が反り返っている(在来種のカントウタンポポは萼片が反り返っていない)。名前の由来は「漢名(蒲公英)をそのまま和名にしたことから」。
ノゲシ(野罌栗)
キク科、全国に分布、2年草。4~7月ごろ、タンポポのような黄色の花をつける。葉にはトゲがあるが軟らかいので痛くはない。名前の由来は「野に咲いて葉がケシの葉に似ていることから」など。ハルノゲシ(春野罌栗)とも呼ばれている。
ハハコグサ(母子草)
キク科、全国に分布、春の七草、1~2年草。4~6月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「冠毛がほおけだつのでホオコグサと呼ばれていたのが転訛した」、「白い綿毛をかぶっている葉や茎の様子が母と子を連想させることから」など。オギョウとも呼ばれ、若芽は七草粥に入れたり、もち草に食されていた。ホオコグサとも呼ばれている。
キンラン(金蘭)
ラン科、本州~九州に分布、多年草。4~6月ごろ、鮮やかな黄色の花をつける。名前の由来は「黄色の花が林の中で金色に輝いて見えることから」。泉の森では白色の花をつけるギンランも見ることができる。
キショウブ(黄菖蒲)
アヤメ科、ヨーロッパ原産、要注意外来生物、水辺や湿地に生育、多年草。5~6月ごろ、黄色の花をつける。内花被片は小さく直立、葉の中脈が目立つ。名前の由来は「花が黄色でショウブに似ていることから」。ただし菖蒲湯に入れるショウブはショウブ科で別種。
ブタナ(豚菜)
キク科、ヨーロッパ原産、要注意外来生物、多年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける。タンポポが終わった頃から咲き始め、花茎を分岐させ複数の花をつける(タンポポは1つの花茎に1つの花をつける)。名前の由来は「フランスでの俗名(ブタのサラダ)の訳から」。タンポポのようなのでタンポポモドキとも呼ばれている。
ケキツネノボタン(毛狐の牡丹)
キンポウゲ科、本州~沖縄に分布、田のあぜや湿地に生育する多年草。3~7月ごろ、黄色の花をつける(花弁は5枚)。実は金平糖のようになる。名前の由来は「茎の毛がキツネノボタンより多く生えていることから」。
ショウブ(菖蒲)
ショウブ科、北海道~九州に分布、水辺に生育、多年草。5~7月ごろ、黄緑色の花をつける。花茎が葉に似ているので葉に付いているように見える。葉の中脈が目立つ。良い香りがするので菖蒲湯に用いられている。名前の由来は「万葉集などで菖浦と書いていたことから(正しい漢名は白菖)」
オオキンケイギク(大金鶏菊)
キク科、北アメリカ原産、全国に野生化、多年草。5~7月ごろ、コスモスに似た黄色の花をつける。荒地でも生育するので緑化などに利用されてきたが、在来種に悪影響を与えることから特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止されている。名前の由来は「大きなキンケイギク(金鶏菊)であることから」など。
カタバミ(片喰|傍食|酢漿草)
カタバミ科、全国に分布、多年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける。葉はハート型で3枚、実は先がとがった円柱状で上を向いて付き触れると種子を弾き出す。名前の由来は「夜になると葉を閉じ半分なくなるように見えることから→片方喰(は)む→片喰み→片喰となった」など。
カテンソウ(花点草)
イラクサ科、本州~四国~九州に分布、山野の木陰に群生する多年草。4~5月ごろ、雄花、雌花を同じ株につける(雌雄同株)。雄花は葉腋から長い柄を伸ばし、その先につくので目立つ、雌花は葉腋のところにかたまってつくので目立たない。雄しべは1本ずつ順番に外側へはじけ、その勢いで花粉を飛ばす(紫色に見える部分はつぼみ、突き出した白色の部分がはじけた雄しべ)。名前の由来は「花が小さく点のようだから」など。
サンカクイ(三角藺)
カヤツリグサ科、全国に分布、水辺や湿地に生育、多年草。7~10月ごろ、茶褐色の花をつける(茎の先端に苞が直立し、そのわきから枝をだし小穂をつける)。名前の由来は「茎の断面が三角形をしていて畳表の原料になるイグサ(藺草)に似ていることから」。直立した苞の先が尖っているのでサギノシリサシとも呼ばれている。
キレハイヌガラシ(裂れ葉犬芥子)
アブラナ科、ヨーロッパ原産、多年草。4~8月ごろ、黄色の花を総状につける。種子と根茎により繁殖する。名前の由来は「葉に深い切れ込みがあることから」。ヤチイヌガラシとも呼ばれている。
コモチマンネングサ(子持ち万年草)
ベンケイソウ科、本州~沖縄に分布、多肉質、多年草。5~6月ごろ、黄色の花をつける。葉の基部に2~3対の葉をもつムカゴ(珠芽)を付け、ムカゴが地に落ちて繁殖する(種子はできない)。名前の由来は「葉の基部にムカゴを付けたマンネングサの意から」。
ビヨウヤナギ(美容柳|未央柳)
オトギリソウ科、中国原産、半常緑低木。6~7月ごろ、黄色の花をつける(花弁は5枚)。長いオシベが無数にあり曲線を描いている。名前の由来は「花が美しく葉が細くヤナギに似ていることから」。
コマツヨイグサ(小待宵草)
アカバナ科、北アメリカ原産、要注意外来生物、2年草。5~11月ごろ、黄色の花をつける(日中でも咲き、しぼむと朱色になる)。茎は地面を這う。名前の由来は「マツヨイグサの仲間で花が小さいことから」。
キツリフネ(黄釣舟)
ツリフネソウ科、全国に分布、山地や林に生育、1年草。5~7月ごろ、黄色の花を吊り下げるようにつける。名前の由来は「花の形が帆掛け船をつり下げたように見え黄色の花をつけることから」。泉の森では湿地に生育し赤紫色の花を咲かせるツリフネソウも見ることができる。
ツルマンネングサ(蔓万年草)
ベンケイソウ科、中国東北部、朝鮮半島原産、河原や石垣に生育、つる性、多肉植物、多年草。6~7月ごろ、黄色の花をつける。花をつけない茎は地をはう。名前の由来は「つる性マンネングサの意から」。
メマツヨイグサ(雌待宵草)
アカバナ科、 北アメリカ原産、要注意外来生物、2年草。6~9月ごろ、黄色の花をつける(しぼんでも赤くならない)。名前の由来は「宵になるのを待つように夕方から花をつけることから」。マツヨイグサ、オオマツヨイグサなどがあり、ツキミソウ(月見草)、ヨイマチグサ(宵待ち草)とも呼ばれている。
ヒメガマ(姫蒲)
ガマ科、北海道~九州に分布、雌雄同株、池や沼などの水辺に生育する多年草。6~8月ごろ、茎の先に円柱形の赤褐色の花序をつける(上部は雄花の集まりで細く、下部は雌花の集まりで太い)。ヒメガマは雌花穂と雄花穂が離れている。葉や茎からすだれやむしろを作ったことからミスグサ(御簾草)とも呼ばれている。
ヤブガラシ(藪枯らし)
ブドウ科、全国に分布、つる性、多年草。6~8月ごろ、淡緑色の花をつける(花びらは4枚)。開花後、黄赤色の花が目立つようになる。名前の由来は「藪を枯らしてしまうほど繁殖力が旺盛なことから」。藪を枯らし家を貧乏にしてしまうことからビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれている。
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ヒガンバナ科、本州~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、黄赤色の花をつける。名前の由来は「花が狐色をしていて葉の形がカミソリに似ていることから」「花が咲くときには葉がないのでキツネにつままれたようなので」など。
ダイコンソウ(大根草)
バラ科、北海道~九州に分布、多年草。6~8月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「根出葉(根元から出ているように見える葉)が大根の葉に似ていることから」。アブラナ科のダイコン(大根)とは関係ない。
ジュズダマ(数珠玉)
イネ科、熱帯アジア原産、水辺に生育、多年草。9~11月ごろ、実のように見える苞鞘(ほうしょう)の先に白色の雌花を、その先に黄色の雄花をつける(雌雄同株)。苞鞘の中心は穴があいているので数珠や首飾りに使われた。名前の由来は「苞鞘が数珠の玉に使われたことから」。トウムギ(唐麦)とも呼ばれている。
アマチャヅル(甘茶蔓)
ウリ科、全国に分布、山地や藪などに生育、つる性、多年草。8~9月ごろ、星形をした黄緑色の花を総状につける。雌雄異株。実は熟すると黒緑色になる。名前の由来は「生の葉をかむと甘みがあるので、花祭りの甘茶をつくるアマチャ(アジサイの仲間)になぞらえたことから」。
ウマノスズクサ(馬の鈴草)
ウマノスズクサ科、本州(関東地方以西)~沖縄に分布、つる性、多年草。7~9月ごろ、茶色の筒状の花をつける。筒から小さなハエをおびき寄せ、球状にふくらんだ部分に閉じ込め花粉を運んでもらう仕組みになっている。名前の由来は「熟した実の基部から6裂してぶら下がる様子が馬の首に掛ける鈴に似ていることから」など。
キバナコスモス(黄花秋桜)
キク科、メキシコ原産、多年草。6~11月ごろ、黄色の花をつける。コスモスより草丈が低い。花の色が赤色の品種もある。名前の由来は「コスモスに似ていて黄色の花をつけることから」。
ガンクビソウ(雁首草)
キク科、本州~九州に分布、多年草。6~10月ごろ、黄色の花を下向きにつける(花の形は先が細くなった卵球形)。名前の由来は「花の形がが煙管(きせる)の雁首(がんくび)を連想させることから」。泉の森ではサジガンクビソウ、ヤブタバコ、コヤブタバコなども見ることができる。
ヤブタバコ(藪煙草)
キク科、全国に分布、1~2年草。9~11月ごろ、黄色の花を一個一個つける(花の形は鐘状球形で、花柄はなく枝に直接付ける)。茎は50cm~1mほどで止まり放射状に枝を伸ばす。名前の由来は「藪に生え根元の葉(根生葉)がタバコの葉に似ていることから」。
イガホオズキ(毬酸漿)
ナス科、北海道~九州に分布、多年草。6~8月ごろ、淡黄白色の花を下向きにつける。ガクはホオズキのように赤くならず、基部から徐々に太くなってイガ状の球形になる。名前の由来は「ガクがイガ状の球形になるから」。
サネカズラ(真葛|実葛)
マツブサ科、本州関東以西から沖縄に分布、常緑つる性大木。8月ごろ、黄白色の小さな花(直径1.5cmほど)を下向きにつける。花被片は9~15個。雌雄異株(まれに雌雄同株もある)。雄花は雄しべが中央部に球状に集まって赤く見える(赤いのは葯隔、黄色の点々は葯)。雌花も雌しべが球状に集まるが緑色なので目立たない。10月ごろになると
液果が球状に集まった実(直径2〜3cm)が熟す。名前の由来は「実(サネ)が美しいカズラだから」など。つるからとった液を整髪に使ったことからビナンカズラ(美男葛)とも呼ばれている。
カラスノゴマ(烏の胡麻)
アオイ科、本州~九州に分布、1年草。8~9月ごろ、黄色の花を葉腋に1個ずつつける。花弁は5枚、メシベを囲むように仮オシベが5本あり、その外側に長さの異なるオシベが15本並んでいる。萼片はそり返る。葉は互生し長さ2~7cm、幅1.5~3.5cmの卵形。名前の由来は「種子をカラスの食べるゴマに例えたことから」。
コセンダングサ(小栴檀草)
キク科、熱帯地方原産、要注意外来生物、1年草。9~11月ごろ黄色の花をつける(通常は筒状花だけ、白い舌状花があるものもある)。総苞片はへら形で短い。名前の由来は「葉の形が樹木のセンダン(栴檀)に似ていて、センダングサより小さいから」。
アメリカセンダングサ
キク科、北アメリカ原産、要注意外来生物、1年草。9~10月ごろ、黄色の花をつける(舌状花は小さく目立たない)。総苞片(6~12枚)は長く、花弁状になる。名前の由来は「アメリカから渡来したセンダングサだから」。セイタカタウコギとも呼ばれている。
ヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)
アカバナ科、北アメリカ原産、湿地に生育、1年草。8~10月ごろ、黄色の花をつける(花弁は4枚、花弁と花弁の間に隙間がある)。花弁に葉脈状の筋が入るのが特徴。名前の由来は「茎にヒレ(鰭)があり、根がゴボウ(牛蒡)のように太いから」。アメリカミズキンバイとも呼ばれている。
ハキダメギク(掃溜菊)
キク科、熱帯アメリカ原産、1年草。6~11月ごろ、黄色の花をつける(中央の筒状花が黄色、周辺の舌状花は白色)。花は直径5mm程で小さく、花びらは5枚で先端が3裂している。名前の由来は「最初に見つけられたのが掃溜めのような場所だったから」。
ヒメキンミズヒキ(姫金水引)
バラ科、北海道(南部)~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「キンミズヒキに似ていて、キンミズヒキより小さく花の数も少ないことから」。
アオミズ(青みず)
イラクサ科、北海道~九州に分布、1年草。7~10月ごろ、葉の付け根に淡黄色の花をつける。同じ株に雌花と雄花をつける雌雄同株。名前の由来は「山菜のミズに似ていて茎がみずみずしく緑色なので」。
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
キク科、北アメリカ原産、要注意外来生物、多年草。10~11月ごろ、黄色の花をつける。名前の由来は「花が酒を醸造するときの泡立ちに似ていて背丈が高いことから」。繁殖力が強く川沿いの土手や線路沿いに咲いている。花粉アレルギーをおこす植物と騒がれたが風媒花ではないので花粉が空気中を漂うことはない。
ツワブキ(石蕗)
キク科、本州(福島県以西の太平洋側、石川県以西の日本海側)~沖縄に分布、多年草。10~12月ごろ、黄色の花をつける。総苞は筒状で総苞片は一列に並ぶ。葉を火にあぶり柔らかく揉んで、打撲、湿疹、筋肉痛などの湿布に用いられた。名前の由来は「葉に光沢があるフキ(蕗)の意味の艶蕗(つやぶき)がなまったといわれている」。
ヤクシソウ(薬師草)
キク科、北海道~九州に分布、2年草。8~11月ごろ、茎の先や葉腋に黄色の花を数個ずつつける。名前の由来は「根生葉の形が長楕円形で薬師如来の光背に似ていることから」など。茎や葉を切ると白い乳液が出るのでチチクサ(乳草)とも呼ばれている。
オオハナワラビ(大花蕨)
ハナヤスリ科、本州(東北地方中部以南)~九州に分布、林床に生育、シダ植物(胞子によって増える植物)、多年草。秋に栄養葉と胞子葉を出し、9~10月ごろ胞子が熟す。 名前の由来は「大形の胞子が花のように見えるハナワラビであることから」。