カタクリ(片栗)
ユリ科、北海道~九州に分布、多年草。3~4月ごろ、薄紫色の花を下向きにつける。花に日が当たると花被片が開き反り返る。発芽してから毎年少しずつ球根(鱗茎)に養分を蓄え、開花まで7~8年かかる。名前の由来は「球根から片栗粉(かたくりこ)を 採っていたことから」。
キランソウ(金瘡小草|紫藍草)
シソ科、本州~九州に分布、多年草。3~5月ごろ、濃紫色の花をつける。名前の由来は「紫藍草のキは紫の古語、ランは藍色なので花の色による」など。春の彼岸の地獄の釜が開くころに咲く(あるいは茎が地面を這うように密生する)のでジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)とも呼ばれている。
オオアラセイトウ(大紫羅欄花)
アブラナ科、中国原産、2年草。3~5月ごろ、淡紫色~紅紫色の花をつける。ムラサキハナナ、シキシソウ、葉が大根に似ているのでハナダイコン(花大根)、三国志の諸葛孔明が出陣先でこの種子をまいて食糧にしたのでショカツサイ(諸葛菜)などとも呼ばれている。
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
オオバコ科、ユーラシア・アフリカ原産、2年草。3~5月ごろ、淡い青色(ルリ色)の花をつける(1日でしぼむ1日花)。名前の由来は「実の形が雄犬の陰嚢に似ていることから」。ルリカラクサ(瑠璃唐草)、テンニンカラクサ(天人唐草)、ホシノヒトミ(星の瞳)とも呼ばれている。
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)
キンポウゲ科、中国原産、1年草。3~5月ごろ、青水色の花をつける。名前の由来は「葉がセリ(芹)に似ていて、花の形がツバメ(燕)が飛んでいる姿を連想させることから」。
アケビ(木通|通草)
アケビ科、本州~九州に分布、つる性落葉低木。4~5月ごろ、淡紫色の花をつける。雌雄同株で雌雄異花、花弁はなく花被が3枚。雌花の中央部にはバナナのような雌しべが放射状につき、雄花の中央部には雄しべが房状につく。名前の由来は「実が熟すとぱっくりと口を開けることから」など。
タチツボスミレ(立坪菫)
スミレ科、全国に分布、野原~山林に生育、多年草。3~6月ごろ、淡紫色の花をつける。日本を代表するスミレ、葉の形はハート状で丸く、茎は立ち上がりその先端にうつむき加減に花を咲かせる。名前の由来は「庭先(坪は庭の意)などに生え、花後に茎が立ち上がることから」。泉の森ではツボスミレ、マルバスミレ、アリアケスミレなども見ることができる。
フデリンドウ(筆竜胆)
リンドウ科、北海道~九州に分布、2年草。3~5月ごろ、青紫色の花を数個まとめてつける(萼は緑色)。花は日が当たっている時だけ開き、曇りや雨の日は筆先の形をした蕾状態になって閉じる。名前の由来は「茎の先につく花の様子が筆の穂先に似ているから」。ハルリンドウ(春竜胆)という花もある。
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)
シソ科、ヨーロッパ原産、2年草。4~5月ごろ、淡紅色の花をつける。日照の強い場所では上部の葉が日焼けしたように赤紫色になる。名前の由来は「オドリコソウに似ていて小さいことから」。
アリアケスミレ(有明菫)
スミレ科、本州~九州に分布、人家近くのやや湿ったところに生育、多年草。4~5月ごろ、白~紅紫色の花をつける。名前の由来は「白~紅紫色まで変化に富む花の色を「有明の空」にたとえたことから」。泉の森ではツボスミレ、タチツボスミレ、マルバスミレなども見ることができる。
シャガ(射干|著莪)
アヤメ科、本州~九州に分布、林内に群生する常緑、多年草。4~5月ごろ、淡白紫色の花をつける(朝ひらいて夕方しぼむ)。名前の由来は「葉が似ているヒオウギ(檜扇)と間違え、その漢名である射干(シャガ)を音読みにしたことから」。コチョウカ(胡蝶花)とも呼ばれている。
タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)
オオバコ科、ユーラシア、アフリカ原産、2年草。4~6月ごろ、青色の小さな花をつける(花は昼前後の数時間しか開かない)。名前の由来は「イヌノフグリの仲間で茎が立ち上がることから」。
ジュウニヒトエ(十二単)
シソ科、本州~四国に分布、やや明るい林の中や道ばたに生育する多年草。4~5月ごろ、白~淡紫色の花をつける。名前の由来は「幾重にも重なって咲く花の様子を女官の衣装に見立てたことから」。
キュウリグサ(胡瓜草)
ムラサキ科、全国に分布、2年草。3~5月ごろ、淡青紫色の花をつける。花の先端部はゼンマイ状に巻き込んでいて次第に伸びて長くなる。名前の由来は「葉を揉むとキュウリのような匂いがすることから」。タビラコとも呼ばれている。
ノヂシャ(野萵苣)
スイカズラ科、ヨーロッパ原産、1~2年草。5~6月ごろ、淡青色の小さな花をびっしりとつける(漏斗状で先端は5裂する)。ヨ-ロッパではサラダ用に栽培されている。名前の由来は「野に咲くチシャ(レタス)を連想したことから」。
カキツバタ(杜若)
アヤメ科、北海道~九州に分布、水中や湿地に生育、多年草。5~6月ごろ、薄紫色の花をつける。外花被片の基部に白~淡黄色の筋があり、葉の中脈は目立たない。名前の由来は「花の汁を布につけて染めたので「書き付け花」、転じてカキツバタとなった」。泉の森ではアヤメ、ノハナショウブ、ハナショウブなども見ることができる。
カキドオシ(垣通し)
シソ科、北海道~九州に分布、多年草。4~5月ごろ、淡紫色の花をつける。花弁には濃紫色の斑点(はんてん)がある。名前の由来は「茎が伸びてツル状になり、垣根を通り抜けてのびこることから」。子どもの疳の虫を取るのに用いられたのでカントリソウ(疳取り草)とも呼ばれている。
ツリバナ(吊花)
ニシキギ科、全国に分布、山地に生育、落葉低木。5~6月ごろ、長い花柄をだして白~淡紫色の花を吊り下げるようにつける(直径7~8mm)。花弁は5枚で、雄しべと雌しべはは小さい。実は9~10月、5つに割れ濃紅色の種子が吊り下げる(直径9〜12mm)。名前の由来は「花も実も吊り下がることから」。
アメリカフウロ(アメリカ風露)
フウロソウ科、北アメリカ原産、1年草。4~9月ごろ、淡紅白色の花をつける。
実は熟すと赤くなり葉も紅葉する。名前の由来は「アメリカ原産のフウロソウだから、ふうろ野(木で囲まれている草刈場)に生育する草をフウロソウと呼んでいたとの説がある」。
アヤメ(文目)
アヤメ科、北海道~九州に分布、湿地ではなく乾いた土地に生育、多年草。5~7月ごろ、紫色の花をつける。外花被片の基部に綾目状の模様があり、葉の中脈は目立たない。名前の由来は「外花被片の基部に綾目状の模様があることから」。 泉の森ではカキツバタ、ノハナショウブ、ハナショウブなども見ることができる。
キキョウソウ(桔梗草)
キキョウ科、北アメリカ原産、1年草。5~7月ごろ、紫色の花を茎にそって段々につける。名前の由来は「キキョウに似た花を咲かせる草の意から」。茎に葉を段々と付け花を咲かせるのでダンダンギキョウとも呼ばれている。
ノハナショウブ(野花菖蒲)
アヤメ科、北海道~九州に分布、湿地や草地に生育、多年草。 6~7月ごろ、赤紫色の花をつける。外花被片の基部に黄色の筋があり、葉は中脈が目立つ。園芸種であるハナショウブの原種。ただし菖蒲湯に入れるショウブはサトイモ科で別種。
ガクアジサイ(顎紫陽花|額紫陽花)
アジサイ科、房総半島、三浦半島、伊豆半島などに自生、落葉低木。6~7月ごろ、淡青色~淡紅色の花をつける。花は中心部に多数ある小さな花(両性花)で、花のまわりを飾っているのは装飾花。名前の由来は「装飾花が額縁のようになっていることから」。アジサイと呼ばれている手まり型に咲くアジサイはガクアジサイを品種改良したもの。
ハナショウブ(花菖蒲)
アヤメ科、水辺など湿地に生育、ノハナショウブを改良した園芸品種、多年草。6月ごろ、白、紫、青、黄色などの花をつける。葉の中脈が目立つ。名前の由来は「葉がショウブに似ていて花が美しいことから」。ただし菖蒲湯に入れるショウブはサトイモ科で別種。
トキワハゼ(常盤爆)
ハエドクソウ科、全国に分布、1年草。4~11月ごろ、淡紫色の花をつける(唇形で上唇は紫色、下唇は紫色をおびた白色で黄色と赤褐色の斑紋がある)。名前の由来は「ほぼ1年中花が見られ、実がはぜることから」。
ムラサキシキブ(紫式部)
シソ科、北海道~沖縄に分布、落葉低木。6~8月ごろ、葉のつけ根(葉腋)に淡紫色の花をまとめてつける。
10~12月ごろ紫色に熟した実を付ける。幹は道具の柄、杖、箸などに使われる。名前の由来は「紫色の実の美しさを平安時代の作家・紫式部に見立てたことから」。
キキョウソウ(桔梗草)
キキョウ科、北アメリカ原産、1年草。5~7月ごろ、紫色の花を茎にそって段々につける。名前の由来は「キキョウに似た花を咲かせる草の意から」。茎に葉を段々と付け花を咲かせるのでダンダンギキョウとも呼ばれている。
イヌゴマ(犬胡麻)
シソ科、北海道~九州に分布、湿地に生育、多年草。7~8月ごろ、淡紅色の花をつける。名前の由来は「ゴマ(胡麻)のような黒い実をつけるが食べられないことから(イヌというのは役立たないの意)」。根を食用にするするチョロギに似ているが食べられないのでチョロギダマシとも呼ばれている。
レンゲショウマ(蓮華升麻)
キンポウゲ科、本州(東北地方~近畿地方)に分布、多年草。7~8月ごろ、淡紫色の花を下向きにつける。名前の由来は「花がハスの花=蓮華(レンゲ)に似ていて、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ていることから」。
コバギボウシ(小葉擬宝珠)
クサスギカズラ科、本州~九州に分布、湿地に生育、多年草。7~8月ごろ、淡紫~濃紫色の花を横向きにつける。名前の由来は「つぼみが擬宝珠(ぎぼし=橋の欄干に付いている装飾品)に似ていて葉が小さいことから」。
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)
キジカクシ科、北海道~九州に分布、山野に生育する多年草。7~8月ごろ、白~淡紫色の花を横向きにつける。名前の由来は「つぼみが擬宝珠(ぎぼし=橋の欄干に付いている葱坊主のような装飾品)に似ていて葉が大きいことから」。
タマアジサイ(玉紫陽花)
アジサイ科、本州(北部以南~中部地方)に分布、落葉低木。7~9月ごろ、玉のような蕾が裂け淡紫色の花をつける(まわりには白色の花は装飾花)。名前の由来は「蕾が苞に包まれ玉状になっていることから」。
アキノタムラソウ(秋の田村草)
シソ科、本州~沖縄に分布、多年草。7~11月ごろ、淡青紫色の花をつける(唇形の花が数段にわたって輪生する)。花冠の外側には白い毛が多い。学名はSalvia japonica(日本のサルビア)。タムラソウの仲間にハルノタムラソウ、ナツノタムラソウがある。
ガガイモ(蘿芋)
キョウチクトウ科、北海道~九州に分布、つる性、多年草。8月ごろ、葉の脇から長い花柄を伸ばし淡紫色の花をつける。名前の由来は「古い名をカガミといい、カガミイモが転じたもの」など。茎を切ると白い液が出るのでチチクサ(乳草)とも呼ばれている。
キツネノマゴ(狐の孫)
キツネノマゴ科、本州~九州に分布、草地に生育、1年草。8~10月ごろ、淡紅紫色の唇形の花を穂状につける。名前の由来は「花が咲いた後の伸びる花序がキツネの尾に似ていることから」「花の形が子狐の顔に似ていることから」など。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)
キキョウ科、全国に分布、多年草、8~10月ごろ、薄紫色の釣鐘状の花を下向きにつける。名前の由来は「釣鐘状の花を咲かせ根が太くニンジンに似ていることから」。花の形からフウリンソウ(風鈴草)、ツリガネソウ(釣鐘草)とも呼ばれている。
ヤブラン(藪蘭)
クサスギカズラ科、本州~沖縄に分布、多年草。8~10月ごろ、淡紫色の花をつける。実は熟すと光沢のある黒色になる。名前の由来は「ヤブ(藪)のようなところに生え葉がランに似ていることから」。
ツルボ(蔓穂)
クサスギカズラ科、全国に分布、多年草。8~9月ごろ、淡紅紫色の花をつける。春に花を咲かせるものもある。花径にはふつう葉がつかない。名前の由来は「蔓のような花穂をつけることから」など。公家が宮中に参内する時に従者がさしかけた傘に似ているのでサンダイガサ(参内傘)とも呼ばれている。
カリガネソウ(雁草|雁金草)
シソ科、全国に分布、山地や林床の湿ったところに生育する多年草。8~9月ごろ、青紫色の花をつける。花弁は5枚で、雄しべと雌しべが上に長く突出し弓形に垂れ下がる。名前の由来は「花の形がガン(雁)の飛ぶ姿に似ていることから」など。花の姿が帆掛け船に似ているのでホカケソウ(帆掛草)とも呼ばれている。
ハグロソウ(葉黒草)
キツネノマゴ科、本州~九州に分布、林内の日陰に生育、多年草。6~10月ごろ、淡青紫色の唇形の花をつける(花弁は2枚)。1日花で、午後には落ちてしまう。花は2枚の包葉に包まれるように咲く。名前の由来は「葉が黒ずんだ緑色をしていることから」。
ホトトギス(杜鵑草)
ユリ科、北海道(西南部)、本州(関東地方以西)~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、紅紫色の斑点のある花を葉の付け根に1~3個つける。茎は分岐せず、葉は茎を抱く。名前の由来は「花びらの紫の斑点が鳥のホトトギス(不如帰)の胸の模様に似ていることから」。泉の森ではタイワンホトトギス、ヤマホトトギスなども見ることができる。
モミジガサ(紅葉笠)
キク科、北海道~九州に分布、多年草。8~9月ごろ、紫色を帯びた白色の花をつける。名前の由来は「新葉が茎先をコウモリ笠をつぼめたような形で包み、葉がモミジに似ていることから」。
キチジョウソウ(吉祥草)
クサスギカズラ科、本州(関東地方以西)~九州に分布、木陰に生育、多年草。9~11月ごろ、淡紅紫色の花を穂状につける。名前の由来は「たくさんの株があっても花が咲く株がわずかで、花が咲くと吉祥(めでたい兆し)があるとされたことから」。
ナギナタコウジュ(薙刀香需|長刀香需)
シソ科、北海道~九州に分布、1年草。9~10月ごろ、淡紅紫色の花を穂状につける。名前の由来は「反り返った花の穂が薙刀(なぎなた)のように見え、強い香りがあることから」。全草を乾燥させたものは漢方のコウジュ(香需)という生薬になる。
カントウヨメナ(関東嫁菜)
キク科、関東以北に分布、ノギクの1種、多年草。7~10月ごろ、花は淡青紫色の舌状花(ぜつじょうか)をまわりに並べ、黄色の筒状花(とうじょうか)を中心部にをつける。名前の由来は「関西に分布するヨメナ(嫁菜)に対し、関東に分布していることから」。大和市内に自生するノギク5種(カントウヨメナ、ユウガギク、シロヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク)のうちの1種。
ノコンギク(野紺菊)
キク科、本州~九州に分布、ノギクの1種、多年草。8~11月ごろ、花は淡青紫色の舌状花(ぜつじょうか)をまわりに並べ、黄色の筒状花(とうじょうか)を中心部にをつける。花は茎の先端にまとまって咲く。名前の由来は「野生のコンギク(紺菊)の意から」。大和市内に自生するノギク5種(カントウヨメナ、ユウガギク、シロヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク)のうちの1種。
タイワンホトトギス(台湾杜鵑草)
ユリ科、沖縄(西表島)に分布、、多年草。9~10月ごろ、紅紫色の斑点のある花をつける(茎の先端にまとまって咲く)。外花被片の基部に球状のふくらみが2個ある。名前の由来は「台湾原産で花びらの紫の斑点が鳥のホトトギス(不如帰)の胸の模様に似ていることから」。泉の森ではホトトギス、ヤマホトトギスなども見ることができる。