屋久島(やくしま)は、
などが評価され、1993年、自然遺産に登録された。
登録地域は、西部の海岸線から中央の山岳部にかけての地域で、その面積は島面積の21%にあたる 10,747ヘクタール。緩衝地帯は設定されていない。
屋久島は「樹齢1000年を超える屋久杉を含む原生的な自然林が美しい自然景観を生み出している」として世界自然遺産に登録された。登録基準viiが評価されての登録は、日本では屋久島だけ。
屋久島は、約1400万年前、新生代の造山活動により海面に花崗岩が隆起し、姿を現した。黒潮が運んでくる暖かい空気が屋久島の山にぶつかり、大量の雨を降らせることによって、屋久杉を含む原生的な自然林が育まれてきた。島面積の90%が森林で覆われている。
屋久島は日本列島の南に位置しているにもかかわらず、標高1000mを超える山が46座もある山岳島、島の中央には九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)がある。
海岸線では亜熱帯植物のガジュマルが見られ、山麓にかけてはシイやカシなどで覆われた照葉樹林が広がり、中腹からは屋久杉などの針葉樹が混じる混交樹林になり、山頂にかけては屋久島固有のヤクシマシャクナゲ、ヤクシマダケなどが生育している。宮之浦岳の山頂では冬になると積雪がある。屋久島では、小さな島の中に、海岸線の亜熱帯植物から山頂の亜寒帯植物までの植生の垂直分布が見られる。
屋久島の標高500mを超える山地に自生しているスギが屋久杉。屋久島では特に、樹齢1000年を超える杉を「屋久杉」、それより若い杉を「小杉」と呼んでいる。「屋久杉」は人手が入る前に誕生し江戸時代以降の伐採を免れた屋久杉、「小杉」は伐採跡に誕生した屋久杉といえる。
スギの平均的な寿命は500年余りといわれているが、栄養が乏しい花崗岩の山地にゆっくり育つ屋久島のスギは、材質が緻密で樹脂分が多く、腐りにくいので長寿命。樹齢2000年を超える巨木も現存し、著名な巨木には「縄文杉」とか「紀元杉」などの愛称が付けられている。
屋久島自然観察ガイド(山と渓谷社)
鹿児島空港→屋久島空港(あるいは鹿児島港→宮之浦港)→路線バス(あるいはレンタカー) など