
水分を蓄える苔(こけ)
屋久島には、日本にある1600種ほどの苔のうち600種ほどが生育しているといわれている。屋久島は雨や霧が多く湿度が高いため、苔が花崗岩を覆うように生え、植物の種子の発芽を促し、森を作り出している。写真は屋久杉の幹に生えた苔、雨が降っていなくても水分を蓄えていた。

苔の森(こけのもり)
屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど雨が降る。雨や霧が多く湿度が高いため、苔が花崗岩を覆うように生え、植物の種子の発芽を促し、森を作り出している。写真は、標高800mほど登ったところにある白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)に広がる苔の森。

くぐり杉
白谷雲水狭で出会えるくぐり杉、四方に分かれた根が人がくぐれるほどに地面からせり上がった杉。倒木の上に成長した杉で、土台になった倒木が全く残っていない。登山道の途中にあり、人が通るようになっている。

縄文杉(じょうもんすぎ)
日本で最大の縄文杉(樹高25.3m、胸高周囲16.4m)、推定樹齢は7200年ともいわれているが幹の中心部が空洞になっているためはっきりしない。標高1300m、荒川登山口から往復10時間ほどの所にある。林野庁の「森の巨人たち100選」に選定されている。

安房川渓谷(あんぼうがわけいこく)
屋久島の山塊から島の東側に流れ出る安房川の渓谷、激流がV字型に削った渓谷はシイやカシの照葉樹林でおおわれている。モザイク模様に見える緑の濃淡は樹木の種類が多いことを示している。写真は70mの高さに架けられている松峯大橋から撮影した安房川渓谷の様子。

千尋の滝(せんぴろのたき)
屋久島中央部から流れでる鯛ノ川(たいのこう)にかかる落差60mほどの千尋の滝。滝の左側に広がる巨大な花崗岩の大きさが千尋(千人が手を広げた大きさ)ほどあるとの例えから名付けられた。

大川の滝(おおこのたき)
栗生集落(くりおしゅうらく)から西部林道へ向う途中にある大川の滝、屋久島で最大の滝で、落差は88m、圧倒的な水量は迫力満点。「日本の滝100選」に選定されている。

ヤクザル親子
本土と陸続きだった数万年前の氷河期に本土から渡ってきたヤクザル、雨の多い屋久島の環境に適応してきた。ホンドザルと比べるとやや小型で体毛は長くて粗く、目じりがやや吊り上っている。オスは頭の毛が中央から左右に分かれ桃割(ももわれ)になっている。複数のオスと複数のメスとその子どもたちで40頭ほどの群れで生活している。

花之江河(はなのえごう)
淀川登山口から2時間40分ほどの所にある花之江河(標高1638m)、日本最南端の高層湿原(泥炭が蓄積して中央部が周囲より高くなり雨水などで水が供給されている湿原)。ここからは投石平(なげしだいら)を経て九州最高峰であり屋久島最高峰である宮之浦岳(みやのうらだけ=標高1935m)への登山道になる。

黒味岳(くろみだけ)
花之江河から黒味岳分岐を経て1時間ほどの所にある黒味岳(標高1831m)、巨岩が立ち並び、ロープの助けで山頂に登と360度の視界が広がり、宮之浦岳、永田岳などの奥岳を望むことができる。

白骨樹(はっこつじゅ)
標高が高い所の屋久杉は激しい風雨にさらされ樹皮がはがされてしまう。
厳しい環境を生き抜いてきた姿に心打たれる。白くなるので白骨樹と呼ばれているが、生きた状態が保たれているものもあり枯れ木とは限らない。

太鼓岩からの展望
白谷雲水峡からさらに40分ほど登山道を登った所にある太鼓岩(たいこいわ=標高1050m)からの展望。宮之浦岳をはじめとする奥岳に広がる屋久杉の原生林を展望することができる。

口永良部島(くちのえらぶじま)
西部林道からの口永良部島、屋久島の西方約12kmにある火山島。2015年(平成27年)5月29日、 新岳で爆発的噴火があり、火砕流が海岸まで到達した。屋久島とともに口永良部島全域が屋久島国立公園に指定されている。

立神岩(たてがみいわ)
西部林道沿いの海岸にある立神岩、ピラミットのように先が尖っていて高さは50mほどある。世界遺産登録地域に入った立神岩橋の真下にのぞむことができる。

海岸線のブルー
西部林道の立神岩橋から撮影した海岸線。東シナ海に続く海面はどこまでも青く、透明感のあるブルーが広がっていた。

永田いなか浜
屋久島では数少ない花崗岩が風化した砂浜が800mほど続いている。 日本一のウミガメ産卵地であり、アカウミガメの上陸数は日本一(日本における上陸数の3分の1が屋久島に上陸する)。国際的に重要な湿地に該当するとして2005年、ラムサール条約の登録湿地に指定された。