知床(しれとこ)は、
などが評価され、2005年、自然遺産に登録された。
登録地域は、陸域だけでなく沖合3キロメートルまでの海域を含む地域で、その面積は、緩衝地帯を含め 71,100ヘクタール。
知床では、春になって海氷が融解すると、海氷の下で植物プランクトンが大増殖、それを餌にするオキアミなどの動物プランクトンが増殖、それらを餌に小魚や甲殻類、貝類が繁殖し、大型回遊魚やアザラシなどの海棲哺乳類、オジロワシなどの鳥類がそれを捕食するという形で食物連鎖が生まれる。さらに、河川を遡上するサケやマスは森に生息するヒグマやキタキツネ、シマフクロウなど食糧になる。
このように知床では、海氷がもたらす植物プランクトンが、海、川、森の豊かな生態系を支える食物連鎖の出発点となり、海の生態系と陸の生態系が関係し合う特異な生態系が見られる。
ユーラシア大陸を流れるアムール川の淡水がオホーツク海に流れ込み海水温の低下で凍る。結氷した氷は大きく成長しながら海流や北西の季節風で南下し、北海道のオホーツク海沿岸に達する。オホーツク海沿岸で見られる流氷(季節海氷)は、川の水が凍って生まれる河川氷に海水が凍って生まれる海氷が含まれる。北緯44度の知床は、北半球ではもっとも低い緯度で特定の季節でのみ海水が氷結する季節海氷域にあたる。
知床はアイヌ語でシリエトク(地の果て)。知床には国策により開拓団が送り込まれたが、開拓団が入れたのはほんの一部。知床の地は農業に適さず、人が生活するにも厳しすぎ全戸が離農せざるを得なかった。現在も道路は半島の半ばまでで知床岬の周辺は無人地帯・・・・・人を寄せ付けない地形と厳しい気候が豊かな自然を残してくれた。
パークガイド知床(自然公園財団)
JR釧網本線・知床斜里駅~(斜里バス・知床線)~ウトロ~知床峠~羅臼
女満別空港~(知床エアーポートライナー )~ウトロ~知床峠~羅臼 など