東北で唯一の現存天守

東北地方で唯一の現存天守、もともとの天守は五重の天守だったが、寛永４年（1627年）の落雷により焼失。現在の天守は、文化８年（1811年）、９代藩主寧親（やすちか）によって隅櫓改築を理由に三重の天守として再建された。国の重要文化財に指定されている。

追手門（おおてもん）

築城当時は裏門（搦手門）だったが、その後参勤交代の経路が変わり、この門が正門（大手門）になったとされている。現存する他の4つの門と同様、2層の櫓門、簡素な素木造りで、戦国時代の古い形式を残している。濠や土塁もよく保存されている。

杉の大橋（すぎのおおはし）

二の丸と三の丸を隔てる中濠に架かる橋、築城当時は、敵の侵入を防ぐため壊される架け橋であったことから、燃えやすい杉が用いられた。現在の橋は、檜（ひのき）によって架け替えられ、欄干と擬宝珠が付け加えられ、赤色に塗られたりしている。

未申櫓 （ひつじさるやぐら）

現存する３棟の櫓の一つ、天守から見て未申（南西）の方向にあるので未申櫓 （ひつじさるやぐら）、防弾や防火のため土蔵造りとなっている。現存する3つの櫓はいずれも3層で同じような姿に見えるものの、窓の形など細部に造作の違いがある。

南内門（みなみうちもん）

二の丸にある2つ城門のうちの一つ、三の丸から杉の大橋を渡った先にある。この先を本丸に向かって進んでいくと、真っ白な天守と真っ赤な下乗橋が浮かび上がってくる。この門の左に未申櫓（ひつじさるやぐら）、右には辰巳櫓（たつみやぐら）がある。

東内門（ひがしうちもん）

南内門とともに二の丸に現存する城門の一つ。三の丸にある東門から本丸に向かう、ほぼ一直線上にある。現存する他の4つの門と同様、2層の櫓門で、簡素な素木造り、戦国時代の古い形式を残している。

亀甲門（かめのこもん）

築城当時はこの門が正門とされていたが、その後追手門が正門となり、裏門の扱いとなった。北門とも呼ばれているが、中国の古い言い伝えに北方の守護神として玄武という亀の神様がいたことから、亀甲門（かめのこもん）と呼ばれている。

曳家された天守

写真の天守は、本丸東側の石垣に膨らみが確認されたことから、本丸内部へ70mほど曳家（ひきや）されている状態の天守。天守は独立式層塔型三層三階、外壁は白漆喰塗籠（しろしっくいぬりこめ）で、屋根は寒冷地のため銅瓦（どうがわら）が葺かれている。天守東側と南側は切妻破風（きりずまはふ）が配された豪華な造りになっている。