西矢倉台西堀切

西城から実城（本丸）までの間にある 4つの堀切のうち二番目の堀切。規模は小さいものの、実城に近づくにつれ幅が広く、深くなっている。堀切＝山の尾根筋を意図的に分断し、敵の進入を防ぐ施設（山城では土塁とともに基本的な防御施設）。

物見台

金山全域を見渡せることができる物見台、自然の地形に沿ってと等脚台形に造られていた。写真は、矢倉台に残る４本の柱穴の場所に建てられた遺構を表示するための建物（物見矢倉を復元したものではない）。

馬場曲輪

大手虎口を守る兵が待機していたと考えられる馬場曲輪。発掘調査で上下 2段の石垣と弧を描く根石列で区画された小さな曲輪が発見され、岩盤を剃り貫いた柱穴が240以上見つかり、位置関係から建物や柵列があったと考えられている。

大手虎口

実城への入り口を厳重に守っていた大手虎口、高く積まれた石垣は敵を威圧し城の権威を高めている。大手虎口手前の大堀切は、掘りの長さ、幅、深さは最大規模に造られている（長さ約46m、堀幅約15m、深さ約15m）。堀の中央部には通行を妨げる堀止といわれる石積みも造られている。

大手虎口（正面土塁）

大手通路の行く手をふさぐように築かれた正面土塁、横矢を射るために築かれた壇状の土塁などが発掘調査結果をもとに復元されている。このような大規模で複雑な虎口の構造は、「難攻不落」を誇った金山城を象徴する場所の一つといえる。

三の丸土塁石垣

三ノ丸から壇状に伸びた土塁石垣、手前の石敷きされた大手通路までせまっている。関東地方の中世戦国城郭では、土手のように土で築く土塁がほとんど、金山城の土塁は石垣で造られている。

日ノ池（ひのいけ）

大手虎口の先にある石組みされた円形状の日ノ池（16.5m×17.5m）、戦国時代からの貯水池であったと同時に、戦勝祈願や雨乞いなどの儀式を行った場所だと考えられている。発掘調査によって、石垣や石敷、２箇所の石組み井戸、石階段などが発見された。写真は、それらの調査結果をもとに、往時の姿を可能な限り再現したもの。

本丸残存石垣

本丸周辺に残されている石垣、石垣用材は手近にある金山石が使われている。積み方は野面積み（のづらずみ）、長い石の大きい面を奥に小さい面を表にして積む牛蒡済み（ごぼうずみ）で積まれている。断面は直線的で緩傾斜し、栗石（ぐりいし）を充分に使用しているので堅固。