天守とともに残る追手門

高知城は本丸の建物が全て残る唯一の城。追手門も残っていて、天守とともに追手門がに残っているのは高知城と弘前城、丸亀城の三城だけ。写真の追手門は、天守や本丸御殿などの現存建造物15棟の一つ、国の重要文化財に指定されている。

黒塗り詰門（つめもん）

追手門から天守をめざすと、黒塗りの詰門に誘導される。詰門は本丸と二の丸の間にある空堀に建てられた門で、内部は簡単に通り抜けられないよう、入口の扉と出口の扉が筋違いになっている。二階部分は二の丸と本丸をつなぐ廊下橋になっている。

忍び返しの鉄剣

天守北東側の石落としに「忍び返し」の鉄剣が設けられている。現存するものとしては全国唯一。石垣は、雨の多い土地柄を考慮して、崩れにくく排水能力が高い野面積み（のづらづみ）で積まれている。

本丸をかこむ矢狭間塀

本丸を囲むように設けられている矢狭間塀、「横矢掛り」といい、カギ状に曲がっている塀に矢狭間（やざま）が設けられている。死角をなくして、どこからでも敵に弓矢を浴びせられる仕掛けになっている。

搦手をかためる黒鉄門

本丸の西側にある搦手（裏口）をかためる黒鉄門（くろがねもん）、かつては左側にも土塀があり、左右を土塀がが囲む厳重な構えであった。門扉や柱に鉄板を張りつめているので黒鉄門と呼ばれている。

天守は独立式望楼型

天守は独立式望楼型四層六階（内部は三層六階）、最上階には黒漆で塗られた高欄（こうらん）がついた廻縁（まわりえん）が設けられている。天守が創建された時の古い様式が残されている。

黒漆で塗られた廻縁

天守の最上階をぐるりと回る黒漆で塗られた高欄（こうらん）がついた廻縁（まわりえん）、権威の象徴としての装飾でもあるが、現在でも歩いて回ることができる。漆塗りは、内部に浸透した水分が空気の流通により蒸発するので、木材が腐朽しにくいといわれている。

本丸御殿を残す高知城

現存天守12城のなかでも本丸御殿を残すのは高知城だけ。写真の手前の建物が本丸御殿、平屋建の入母屋造り、規模は小さいながら書院造りの典型的様式をもち、武家の住宅建築としての様式を整えている。