新発田城

本丸、二の丸、三の丸からなり、堀や石垣に囲まれ、新発田川の水を巡らせた新発田城、11棟の櫓と5棟の門が並んでいた。写真は本丸の鉄砲櫓があった所に移築された旧二の丸隅櫓、その右奥に本丸表門、辰巳櫓が並んでいる。堀をはさんだ右側には土橋門があった。

本丸表門

二階建ての櫓門である本丸表門、二階正面には敵を攻撃するための「石落とし」が設けられている。この本丸表門は旧二の丸隅櫓とともに江戸時代から現存する建造物で、国の重要文化財に登録されている（城跡に現存建造物があるのは新潟県内では唯一）。

切込はぎ布積み

寛文9年（1669年）の地震で崩落した本丸南側の石垣（全長350m）、それまでの乱積み（らんづみ）から「切込はぎ布積み」に積み直された。
切込はぎ（きりこみはぎ）＝石を整形して隙間なく積む積み方。布積み（ぬのづみ）＝直方体に加工した石を一段ごとに高さを揃えてブロック状に積み上げる積み方。

旧二の丸隅櫓

二の丸北部にあった二の丸隅櫓、昭和の解体修理で本丸の鉄砲櫓があった場所に移築され、移築とともに「旧二の丸隅櫓」という名称になった。腰壁は、瓦張りで白と黒が美しく耐久性に優れた海鼠壁（なまこかべ）で仕上げられている。

辰巳櫓（たつみやぐら）

本丸の南東（辰巳の方角）の位置に建つ辰巳櫓、平成11年（1999年）からの復元事業で、平成16年（2004年）に三階櫓とともに木造復元された（一般公開されている）。外部は各階とも白漆喰塗り（しろしっくいぬり）で仕上げられている。

三階櫓（さんがいやぐら）

事実上の天守として創建された三階櫓、幕府に配慮して「三階櫓」「御三階櫓」と呼ばれていた。三階櫓は明治政府の廃城令で取り壊されたが、平成16年（2004年）に辰巳櫓とともに木造復元された。左側のフェンスは自衛隊駐屯地のフェンス。

三階櫓（さんがいやぐら）

三階櫓の屋根の棟は丁字型をしているので、それぞれの隅に鯱（しゃちほこ）が載せられている。腰壁は雪国で見られる瓦張りで、白と黒が美しく耐久性に優れた海鼠壁（なまこかべ）で仕上げられている。自衛隊駐屯地内に復元されているので一般公開されていない。

自衛隊駐屯地

新発田城跡、明治政府の廃城令で陸軍の部隊が置かれ、昭和28年（1953年）からは本丸の一部を除く全域と古丸全域、二の丸の一部が陸上自衛隊の駐屯地となった。写真の手前が本丸（建物は観光客向けの休憩所）、土塀から奥が陸上自衛隊の駐屯地、左奥の建物は木造復元された三階櫓。