駿府城跡

静岡県庁の21階展望台から撮影した駿府城跡。外堀、中堀、内堀の３重の堀を持ち、本丸を中心に二ノ丸、三ノ丸が回字形に配置され、本丸北西部に五層七階の天守が聳えていた。右側の堀が中堀、中堀に面して巽櫓と東御門が再建されている。中堀の内側は城址公園として整備されている。 　

発掘された内堀

発掘調査に基づいて復元された内掘跡、幅23m〜30m、深さ5mあり、石垣は打込ハギおよび算木積みでしっかり積まれている。本丸側石垣のうち、下段の2～3段は、慶長期築城当初の古い積み方が残っている。復元されたのは内堀の一部分だけ。

内堀への水路跡

内堀と中堀をむすぶ水路、内堀の水位を保つためにつくられた。幅4.5ｍ、長さ95ｍ、4回折れ曲がっている。石垣の一部は徳川家康が天下普請で駿府城を築いた当時のものと考えられている。底にも石が敷いてあるめずらしい構造、角部は算木積みが施されている。

発掘調査中の天守台

平成28年（2016年）からの発掘調査で、将軍を退いた徳川家康が築いた慶長期の天守台（南北68m、東西61m）が見つかった。さらにその天守台と一部重なった位置から別の天守台（南北37m、東西33m）が見つかり、天守台の石垣が野面積みであったことや周辺から金箔瓦が出土したことから豊臣秀吉が徳川家康を関東に国替えした後、家臣・中村一氏に築かせた天正期の天守台とみられている。

再建された東御門

二ノ丸の東に位置する主要な出入口であった東御門、中堀に架かる東御門橋と高麗門、櫓門、南および西の多聞櫓で構成される桝形門。要所に石落し、鉄砲狭間、矢狭間などをもつ堅固な守りの実戦的な門で、戦国時代の面影を残している。

東御門の櫓門（やぐらもん）

高麗門をくぐって枡形になったところから二ノ丸に入る櫓門、 一重（一部二重）の入母屋造、櫓門と続櫓の窓から敵を討つ構造になっている。 内部は資料館として公開されていて、櫓門から続櫓を経て巽櫓まで見学できるようになっている。

再建された坤櫓ひつじさるやぐら）

二の丸の四隅にそれぞれ隅櫓があり、坤櫓は南西角に設けられた二層三階の隅櫓。十二支では南西の方角は未（ひつじ）と申（さる）の間であることから「坤櫓（ひつじさるやぐら）」と呼ばれている。2階には堀側に石落としを設け、敵の侵入を防ぐ工夫がなされている。

再建された巽櫓（たつみやぐら）

二ノ丸の東南角に設けられた三層二重の隅櫓、十二支であらわした巽（辰巳）の方角に位置することから「巽櫓（たつみやぐら）」と呼ばれている。駿府城の櫓の中ではもっとも高い櫓で、全国にある城の櫓建築でもほかに例の少ない平面はL字型になっている。