富士山‐信仰の対象と芸術の源泉(ふじさん - しんこうのたいしょうとげいじゅつのげんせん)、
などが評価され、2013年、文化遺産に登録された。
構成資産は次の25資産。
登録地域の面積は、構成資産 20,702.1ヘクタール、それを保護する緩衝地帯 49,627.7ヘクタール。
世界遺産として登録されている富士山域は、標高1500m以上の範囲と山裾まで一帯化して登録されている本栖湖、精進湖、西湖までの範囲。標高1500m以下は緩衝地帯で、浅間大社、白糸の滝、三保の松原などは緩衝地帯内に独立して分散登録されている。
富士山は、その圧倒的な存在感から畏敬の念をおこさせ、霊峰富士として古来から多様な信仰の対象して崇拝されてきた。
平安時代初期には富士山の噴火を鎮めるため浅間神社が建てられ、平安時代後期には修験道の道場になった。室町時代には登山道が開かれ登拝する山として庶民に親しまれ、江戸時代には信徒組織・富士講が組織されるようになった。現在でも多くの登山者が訪れている。
また、富士山は芸術の源泉となり万葉集や日本最古の物語とされる竹取物語をはじめ数多くの和歌や物語など文学の題材になった。 室町時代には富士山を題材とした絵画作品が多数描かれ、江戸時代には文学、絵画、工芸、庭園等のモチーフとして多岐にわたって取り上げられた。
特に葛飾北斎、歌川広重により描かれた浮世絵は、西洋の芸術家の作品にも影響を与え、富士山の荘厳な形姿を世界に知らしめた。
田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける 山辺赤人 (万葉集)
なお富士山のような姿をした成層火山で世界遺産に登録されているのは、カムチャッカ火山群(ロシア)、トンガリロ国立公園(ニュージーランド)、エオーリエ諸島(イタリア)などがあるが、古富士火山と新富士火山の2世代にわたる噴火活動によって形づくられた円錐型のなだらかな裾野が広がる富士山の姿は特に美しい。
見るだけで元気をもらえる富士山、富士山は私たちの心の支えであり日本人の心のふる里である。見る者の心をゆさぶる富士山は日本の象徴、世界遺産に登録されたことで日本人の誇りになった。
富士山を知る旅へ-富士山ガイドブック(世界文化遺産登録推進両県合同会議)
JR中央本線・大月駅~富士急行線・富士吉田駅下車~バス
東名高速・富士ICまたは御殿場IC~車