白神山地 - 日本の世界遺産
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白神山地(しらかみさんち)は、
などが評価され、1993年、自然遺産に登録された。
登録地域は、青森県と秋田県にまたがる白神山地の中心部で、その面積は、緩衝地帯を含め 16,971ヘクタール。
白神山地の多くの地域は、白神山地森林生態系保護地域、白神山地自然環境保全地域、津軽国定公園、赤石渓流暗門の滝県立自然公園、秋田白神県立自然公園などに指定され保護されている。
白神山地は、約200万年前、日本海が隆起し海から生まれるかのようにその姿を現した。白神山地の地層は、日本海ができた頃の堆積岩と、海底火山活動で噴出した溶岩で構成されている。
白神山地をおおう豊かなブナ林の誕生は、氷河時代が終わり日本列島が温暖になってきた8000年前頃といわれている。
白神山地は原生的な自然環境が多く残っていることから、ブナの森はブナ、ミズナラ、サワグルミなどからなり、アオモリマンテマやツガルミセバヤなどの貴重な植物が生育し、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、イヌワシ、クマゲラなどの動物が生息している。
またブナ林は、すぐれた保水能力があり「緑のダム」とも呼ばれ、動植物だけでなく人間もその恩恵にあずかってきた。
白神山地のブナ林は、白神山地を分断する青秋林道の建設工事の着工(1982年)により開発の危機にさらされたが、秋田、青森両県の住民や自然保護団体などの反対運動で林道の建設を断念させた。自然保護団体の運動は、まとまりのある森を守る「森林生態系保護地域」の創設(1991年)、日本の世界遺産条約の批准(1992年)、白神山地の世界遺産への登録(1993年)につながった。
ブナの森は、森全体が巨大な天然ダムになり森から流れ出た清流は大地をうるおし、海に流れて豊かな漁場を生み出している。またブナの森は炭酸ガスを吸収し酸素を供給してくれている。8000年を生き抜いたブナ、水分が多く木材には適さず、木へんに無と書いて「何の役にもたたない木」とされてきたが、森を守る大切さを、私たちに教えてくれている。
世界の森林は陸地面積の26.9%(1995年現在)、日本の場合は国土のほぼ70%が森林に覆われている。この恵まれた森林を後世に残していくことが、今に生きる私たちに課せられたことといえる。
JR奥羽本線・二ツ井駅~(車で)~太良峡~釣瓶落し峠、岳岱
JR五能線・八森駅~(車で)~二ツ森、十二湖
JR五能線・鰺ヶ沢駅~(車で)~くろくまの滝~津軽峠~暗門の滝
JR奥羽本線・弘前駅~(車あるいは弘南バスで)~アクアグリーンビレッジANMON~暗門の滝、津軽峠 など