泉の森で出会えた野鳥たち

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野鳥 - まめ事典

日本の野鳥は500種ほど
日本の野鳥は500種ほど(そのうち日本で繁殖するのは250種ほど)、世界の野鳥は9000種ほど、といわれている。

日本でしか見られない野鳥(日本の固有種)は12種
ヤンバルクイナ、アマミヤマシギ、ヤマドリ、キジ、ノグチゲラ、アオゲラ、セグロセキレイ、カヤクグリ、アカヒゲ、アカココッコ、メグロ、ルリカケス
日本にはいなかったスズメ
スズメはアフリカが原産の鳥で、日本で稲作が始まった直後に東南アジアを経由し海を渡ってやって来たという説が有力。
森林国であった日本にはスズメの食料である草の種子が無かったためスズメはいなかったが、稲作をするようになってからスズメにとって餌が豊富になり、渡来してきたとのこと。
東西に分かれているオナガの分布
オナガは中国~韓国~日本を含む東アジアと、イベリア半島のスペイン~ポルトガルに分かれて分布している。
ポルトガルの水夫が中国から持ちこんだという人為分布説と、もともとユーラシア大陸に広く分布していたものが両端を残して絶滅したという自然分布説が唱えられている。
日本の周辺にしかいないヒヨドリ
日本で最も広く見られるヒヨドリ、実は日本列島周辺(日本、サハリン、朝鮮半島南部、台湾、中国南部、フィリピン北部)にしかいなく、外国のバードウォッチャーにとっては珍しい鳥。
ムクドリの集団ねぐら
夏から秋の夕方、ムクドリの大群が都心の街路樹に集まる。大和市域では大和駅前の街路樹に集まっているのがよく見られる。集団で都会の街路樹をねぐらにする理由は、
群れでいた方が外敵を見る目が多く安全、たとえ襲われたとしても一個体が襲われる確率が低くなる、人間が活動している都心の方が外敵がすくなく安全だからと考えられている。
しかし、餌場となる田園地帯が近くにあること、街路樹は安全のため高く立派であること、等がねぐらになる条件。
淡水ガモ、海ガモ
カモの仲間は淡水ガモと海ガモに大別される。それぞれ餌の採り方、水面に浮かんでいるときの尾の状態、水面からの飛び立ち方が違う。
淡水ガモ
餌は水面に近い水草などの植物性のものを口ばしで掬ったり首を水中に入れ逆立ちになりながら捕る。水面に浮かんでいるとき、尾は水面より上がっている。飛び立つときは水面から直接飛び上がる。カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、マガモなど。
海ガモ
餌は小魚などの動物性のものを潜水して捕まえて食べる。水面に浮かんでいるとき、尾は水面ぎりぎりか水面についている。飛び立つときは体重が重いので水面を滑走してから飛び上がる。ホシハジロ、キンクロハジロなど。
カモたちはほとんどが夜行性?
しらかしの池のカモたちは、昼間は水に浮かんで頭をうずめて寝ていることが多い。カモたちはほとんどが夜行性で、夜は近くの餌場で餌を採り、朝になると安全な池などにもどって過ごすとのこと。
たしかに、いつも居たカモたちが次の日には居ないということがよくあったり、池の近くの地上でドングリなどを食べていることがある。ただ、餌場に飛び立つ姿を見たことがないし、近くの餌場がどこなのか? わからない。
シラサギ、クロサギ
シラサギというのは体が白いサギ類(コサギ、ダイサギなど)の総称で、シラサギという名前の鳥はいない。
クロサギは奄美大島~沖縄の海岸で見られ、黒色型と白色型があり、白いクロサギがいる。
キジバト、ドバト
キジバト(雉鳩)
体の色がキジ(メス)に似ていることから名づけられた。山里に生息しているのでヤマバト(山鳩)とも呼ばれている。鳴き声はデデポッポー、デデポッポー。

ドバト(堂鳩、土鳩)
愛玩用の鳩として飼育されていたカワラバトが逃げ出し、再野生化したもの。いったんは飼育された鳥なので厳密には野鳥ではない。
再野生化して最初に住みついたのが神社や仏閣だったので「だうばと (堂鳩)」とか「たうばと (塔鳩)」といわれていたことから、ドバトと呼ばれるようになったと伝えられている。
ハシブトガラス、ハシボソガラス
ハシブトガラス(嘴太烏)
頭のおでこの部分が膨らんでいて、くちばしは太く、カーカーと澄んだ声で鳴き、両足をそろえてピョンピョンとはねるように歩く。都会でゴミを荒らすカラスとして嫌われている。
もともとは森にいて動物の死骸を食べ「自然の掃除屋さん」の役割を果たしていたが、人の出すゴミに目をつけ都会に進出してきた。数が増えすぎ生態系への影響が心配され、カラスが責められているが、責められるべきは不用意にゴミを出す人間。
※カラスは体重が重くホバリングが苦手なので、ゴミ袋をフェンスなどに吊るしておくと荒らされないと思われます。

ハシボソガラス(嘴細烏)
頭のおでこの部分が膨らんでなく、くちばしは細く、ガーガーと濁った声で鳴き、1歩ずつのこのこと歩く。
都市部でも見られるが、もともとは郊外の雑木林や農耕地に住む。硬くてくちばしでは砕けないものを建物の屋上などの固い場所に落として割ったり、道路にクルミを置いて車に割らせるなどの知能がある。

カラスの繁殖期は春から夏で、一夫一妻制で協力して子育てをする。抱卵期間は20日前後、巣立ちまでの期間は30~40日。産卵数は2~5個、エサが限られているので巣立つヒナは1羽ほど、都会のゴミの管理をしっかりすれば異常な繁殖は避けられる。
ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ
長い尾を上下に振るセキレイ、川の上流~中流~下流に穏やかな棲み分け(すみわけ)をしているとされているが、泉の森では3種が見られる。
野鳥は目がいい
高速で移動しながら外界の情報を入手する野鳥は、視覚が発達している。タカの仲間であるノスリの視力は人の8倍あるといわれている。聴覚もすぐれているが、嗅覚はそれほどでもない。

人に見えないものも見える
また野鳥は、赤、緑、青のほか、人には見えない紫外線を見ることができるので、人以上にさまざまな色の違いを識別できる。

多くの野鳥は鳥目ではない
渡りをする野鳥の多くは、タカやハヤブサなどの天敵に襲われないよう、夜に渡りをするので、鳥目ではない。
「夜に見えない」という意味の鳥目という言葉は、飼育下の鶏などが元になっている。
縄張り(なわばり)
繁殖と餌確保のため、1個体またはつがいで他の個体を寄せつけないようにする範囲のこと。
なわばりの広さは種によって異なり、カワウなど集団で繁殖するものは巣の周囲のみ、イヌワシなどは広大な森が必要になる。冬の食べものを確保するため、モズやジョウビタキのように1羽ずつなわばりを持つものもいる。
地鳴き(じなき)、囀り(さえずり)
地鳴き(じなき)
オスメス、成鳥幼鳥、季節にかかわらず聞かれる「個体どうしの情報交換?」の鳴き声。ウグイスの地鳴きは「チャッチャッ」。

囀り(さえずり)
オスのメスへの「求愛」や、オスが自分の存在を他のオスに知らせる「なわばり宣言」の鳴き声。ウグイスのさえずりは「ホー、ホケキョ」。ヒバリ、ホオジロ、オオルリなどスズメ目でくくられる野鳥は美しい声でさえずる。さえずりによっては「聞きなし」といって人間の言葉に置き換えられるものもある。
姿が見えないウグイス
春先に「ホーホケキョ」というさえずりはよく耳にするものの、姿を見せることはない。さえずりは樹上で聞こえるが、実は林床のヤブの中でさえずっていることが多い。樹上ではなくヤブの中を探すと姿を見ることができる。さえずりは、「ホー」は吸う息、「ホケキョ」は吐く息、さえずている間はじっとしているので撮影もできる。
ウメにウグイス?
梅に鶯(うめにうぐいす)というのは、「絵になる良い取り合わせ」のたとえ、警戒心の強いウグイスが梅にとまることはまずない。ウメにとまるのは花の蜜を好むメジロの方が多い。ウグイスの色は、メジロの緑よりも暗緑茶色で地味。ただ、ウメに来たメジロをウグイスと間違えたというわけではなく「絵になる良い取り合わせ」として使われてきた。
メスは地味、オスは派手
メスは子育てのため外敵から目立たないよう地味、オスはメスに認められるよう派手。
歩き方いろいろ
両足をそろえてピヨンピヨン歩く = スズメなど
交互に足をだす = セキレイ、ムクドリ、ヒバリなど
速足歩き = セキレイなど
トコトコ歩いて休みトコトコ歩く = ツグミなど
飛び方いろいろ
羽ばたきと滑るように飛ぶを交互に波状に飛ぶ = ヒヨドリ、セキレイ、キツツキなど
常に羽ばたいて直線的に飛ぶ = ムクドリ、カワセミなど
滑空する = ツバメなど
鳥の数え方
羽(わ)、匹(ひき)、翼(よく)、隻(せき)、番(つがい)など。
一般的には羽(わ)、鳥獣をまとめて数える場合や小さい鳥などは匹(ひき)、詩的に表現する場合は翼(よく)、獲物としての鳥は隻(せき)、オスメスの組は番(つがい)。
メスは地味、オスは派手
メスは子育てのため外敵から目立たないよう地味、オスはメスに認められるよう派手。